約 3,294,340 件
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/7494.html
本稿はDLC課金型のアプリゲームが原作ですが、現時点ではSwitch版に限定したものとなっています。 DEEMO 【でぃーも】 ジャンル ファンタジーリズムゲーム 対応機種 Nintendo Switch メディア ゲームカードダウンロードソフト 発売元 フライハイワークス 開発元 Rayarks Inc./Esquada 発売日 ダウンロード版 2017年9月21日 パッケージ版 2018年10月25日 定価 ダウンロード版 3,000円(税込) パッケージ版 3,888円(税込) プレイ人数 1人 セーブデータ 1箇所 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 良作 ポイント 多くを語らずも切ない世界観本物のピアノを弾くように操作可能 DEEMOシリーズDEEMO / DEEMO -Reborn- あらすじ 概要 システム 評価点・特色 賛否両論点 問題点 総評 その他 あらすじ 『さよならも言わずに消えてしまわないで。』主人公・Deemo(ディーモ)は、城で独りピアノを奏でる謎の存在。そんな孤独な彼のもとに、ある日突然、空から記憶喪失の少女が舞い降りた。少女を上の世界へ帰してあげたいと悩むDeemo。その時彼は、ピアノを弾き、曲を聴かせると成長する不思議な芽があることに気がついた。その芽が木となり、天井の窓まで届くほどに育てば、少女を元いた世界に帰すことができるかもしれない。少女との触れ合いの中、人の温かさを知ったDeemoと記憶を取り戻した少女が迎える結末とは?これは2人の、不思議で少し切ない物語??。(※公式HPより) 概要 原作は台湾のRayarkによって開発・製作されたスマホ用音楽ゲーである。 音楽を演奏して木が一定量生長するごとに物語が進むという、やや珍しい形式をしている。 システム 音ゲーの操作システム 音楽が流れている最中に、画面奥から手前に向かってピアノの鍵盤のようなシンボルが流れてくる。 シンボルは「塗りつぶされた線」「枠線のみの線」「白く光る楕円」の3種類あるが、前2つは見た目のみでプレー上の違いはない(赤及び青の着色については後述)。 画面手前には黒い横線が引かれており、このラインと重なったタイミングでシンボルにタッチすることが求められる。 「白く光る楕円」のみ線をなぞるようにしてタッチしてもいい。グリッサンドやトリルという形で使われている。 連続で成功することでコンボ。5コンボ以上のときはタイミングが特にいいとコンボ数の下に「Charming」と表示される。 Charming評価自体は4コンボ以下でも発生しており、リザルト画面で表示されるCharming率の分母はコンボ数と同じく総ノート数である。 打鍵操作が早すぎるか見逃してしまうかして、タイミングが大きくずれるとコンボが途切れてしまう。 スイッチならではの操作にも対応 コントローラーのボタン操作にも対応。タッチするかわりに正しいタイミングで対応したボタンを押す必要がある。 流れてくる鍵盤のタイミングは据え置きだが、黒いシンボルが青と赤で着色されるようになる。青は左手側のボタンで、赤は右手側のボタンでないと処理できない。青と赤の両方で着色されているもの(設定で緑色に変更可能)はどちらで処理してもよい。 白く光る鍵盤はL/R/LZ/RZの押しっぱなしで対処可能。 NINTENDO LABO バラエティキットのピアノToy-Conでプレーする専用のカテゴリも存在する。 こちらは鍵盤のシンボルが降りてきた場所をタイミングよく弾けば成功判定。 譜面は専用のものが用意されており、ランク変更不可。 判定ラインもこれに限りピアノを模したものになる。 曲の解放 シナリオの進捗や、曲のプレイ状況に応じて逐次新しい曲が開放されていく。収録曲の総数は300曲以上。 Deemoたちが暮らす世界にある物体を、画面タッチやAボタンで調べて回ることも出来、そこから入手できる新規楽譜もある。 なおキャラクターに触れると何かしらしゃべってくれる。場合によってはシナリオの伏線となる情報をしゃべることも。 課金要素について 課金要素は基本存在しない。原作では追加楽曲をプレイできるようにしたりシナリオを最初から楽しみたい場合は課金が必要であったが、本作では最初からデータに収録されている。 なお、2020年11月末に配信開始となったDJMAXとのコラボ楽曲パックがSwitch版初の有料DLCである。 評価点・特色 ピアノを弾いているかのように操作できる 本作に求められる操作は流れてくる鍵盤型のシンボルに、正しいタイミングで触れるだけ。 プレイヤーが鍵盤に触れたタイミングに対応して、ピアノの音が鳴るようになっている。また画面右側に行く程高い音が出る傾向なのでピアノを引いている雰囲気が存分に掻き立てられる。 特に白く光る鍵盤を操作すると、ピアノのグリッサンドやトリルを実際にやっているような気分になれる。 ピアノベースの曲が多く取り入れられているのも特徴で、ジャジーな曲、アップテンポな曲、バラード調の曲と幅広い。 さりとて決してピアノがメインの曲ばかりではなく、ボカロ風の曲も多めに収録されている。 スイッチならではの操作もある スイッチコントローラーで操作する場合もあるが、タッチのときと根本的な操作方法は変わっていない。 キーコンフィグは各サイド5パターン(一方で統一、もしくは斜め区切りで2ボタンずつ(反転含む))のほか、自由設定も可能(*1)。 曲や譜面は限定されているが、ピアノToy-Conにも対応(上述)。 物語が存在すること Deemoたちが暮らす世界は、どこか暗くも暖かい雰囲気のある背景デザイン。木の生長によって徐々にその世界も変化していく。 シナリオは多くを語らないため、ゲームのテンポも大して損なわない。 かといって何も無いシナリオかというとそうではなく、周回の最後ではDeemoと女の子が何故この世界にいるのか、何故Deemoは女の子に優しくするのかという疑問について、核心的な情報が語られる。 選曲メニューにまとめられている曲ひとつひとつにジャケット画像がつけられている。内容はDeemoをはじめとした登場人物をアレンジしたものである。 追加課金不要な方式へのアレンジ スマホ版では課金方法にもよるが全曲開放+全周回プレイ開放に10,000円以上の課金が必要であったが、本作はこれらの殆どが最初から遊べる状態なのでコスパはなかなか良い。 賛否両論点 選曲について 本作のために書き下ろされたオリジナルの楽曲が多く、馴染みづらい面はある。ただし曲のクオリティ自体は高いものが多く、オリジナルながらもファンから大きな人気を獲得している曲も存在する。 クラシックの曲もあるにはあるが少ない。妙に間延びしたアレンジの曲もある。 ボタン操作がもたらす難易度について ボタン操作の場合、画面左側にきた鍵盤シンボルは必ず左手側のボタンでさばき、右側に来た鍵盤シンボルは右手側のボタンでさばかなくてはならない。 カスタマイズは可能。左と右で完全に分担してしまう設定を初心者向けとして扱っており、デフォルトもその形になっている。 逆に白く光る鍵盤シンボルはRボタンを押しっぱなしでさばける。曲が流れている途中ずっと押していても特にペナルティがない。 タッチ操作と比較すると難易度は一長一短か。 問題点 木が20mに生長したときのイベント 木が20mに達すると、一度成長が止まる。しかし次のイベントは特定の場所を調べないと発生しない。今までのイベントが木の生長で自動的に発生するものだったのでやや混乱する。 選曲時 プレイできる曲が増えていくと、アルバムを選択時に一瞬フリーズするようになる。 曲を検索する機能が無い。上述の通り、曲はアルバム単位で分割されているため、好きな曲を演奏したくても、「その曲がどのアルバムにあったか」をプレイヤー自身が覚えておく必要がある。 総評 取っつき易さとピアノの弾ける感覚が両立された、絶妙な操作システムが特長。 楽曲は本作オリジナルのものが多いが、ピアノの音響が活きる良曲がそろえられ、切ないシナリオともかみ合い独自な世界観の形成に成功しているといえるだろう。 その他 さかのぼること2年、2015年6月24日にPS Vita版『DEEMO~ラスト・リサイタル~』が発売されている。 こちらはスマートフォン版と同様に楽曲パックがDLCとして販売される形式。その他にも、イベントシーンのアニメ化などのアレンジがある。 PS Storeではゲーム本体は「PlayStation ♡ Indies」カテゴリにあるのに対し、楽曲パックは普通にPS Vitaコンテンツの「ゲーム・追加アイテム」カテゴリにあるので注意。 2019年11月21日、PS4にてリメイク版である『DEEMO -Reborn-』が発売。PS VRにも対応、こちらも追加楽曲はDLC販売。 アドベンチャーパートのフル3D化といったアレンジも。 2020年9月3日にはWin版(Steam)(*2)、12月17日にはSwitch版及びスマートフォン版(iOS/Android)も発売。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/2644.html
ドラゴンズレア 【どらごんずれあ】 ジャンル アクション 対応機種 ファミリーコンピュータ メディア 2MbitROMカートリッジ 発売元 EPIC・ソニーレコード 開発元 Motivetime 発売日 1991年9月20日 定価 5,900円 判定 クソゲー ゲームバランスが不安定 ポイント 動きが滑らかすぎて操作しづらい主人公即死 配置が鬼畜な罠の数々城に入ることすらできずにGAMEOVER気づいたら白骨化していた頑張ればクリアできるが頑張りたくない ドラゴンズレアシリーズDragon s Lair / FC版 / II TIME WARP / III / 3D 概要 システム 問題点 評価点 総評 その後の展開 余談 概要 1983年に稼働開始したアーケードゲーム『Dragon s Lair』の世界観をモチーフとしたアクションゲーム。 よって、今作はリメイクされた同名の別タイトルと言えるものであり、内容自体は全く異なる。 元々は1990年12月29日に海外で販売されたものとなっており、本作はその移植作にあたる。 システム 横スクロールのステージクリアタイプのアクションゲーム 単純に奥まで進み、各ステージでボスを倒せばステージクリア。 ある程度進めた後には、ステージクリア後にエレベーターで次に進むステージを選択可能。 中にはトラップ部屋や前のステージへ戻されるトラップも存在する。また、エレベーター部屋もステージの一つであり、飛び移る際にもきちんと飛び移らないと即死する。 残機+ライフ制 体力ゲージは一部の敵の攻撃で減る他、武器の使用でも減る。 問題点 アニメーションに凝ったゆえの操作性の弊害 滑らかな動きが特徴であるがそれゆえに、主人公の動きがゆったりしていて遅く(北米版はさらに遅い)、移動も攻撃も回避もワンテンポ動作が遅れてしまうためにとっさの行動を変えることが非常に難しい。 下記の通りゲームそのものも難しいのだが、操作性の悪さが更に拍車をかけてしまっている。 結果、原作での成功シーンのきびきびとした動きは一切再現されておらず、やっていて爽快感もない。 難しすぎるゲーム内容 まず主人公のグラフィックが大きい上に、全身に当たり判定があるため攻撃に当たりやすい。この仕様のせいでしゃがむと当たり判定が横に広がってしまう。 にもかかわらず、ゲーム中に登場する敵や罠の大半は当たると即死(白骨化(*1))する。 上記、挙動の重さで分かっていても即死してしまう事も多い。 ステージ4では凹凸のある天井にぶつかってそのまま落下死につながることも多い。 コウモリなどの左右に飛んでくるザコ敵は当たってもHPがちょっと減るだけで済む(時間経過でも少しずつ減っていく)のだが、 即死ばかりするせいでHPにはほとんど意味がない。 体力ゲージが「E」と馴染みの無い表記になっているため(*2)、初見では何のゲージであるか気づきにくい。更に通常であれば重要なゲージにも拘らずプレイヤーの目線から離れた右上に置かれているため、 主人公の身長はゲーム画面の高さ(ゲージ表示などを除く)の 3割ほどを占める。 原作でもかなり長身に描かれているのでそれを再現したものと思われるが、ゲームデザインとはまるで噛み合っていない。 主人公の武器はD(短剣)、A(斧)、F(火の玉)の3種類があり、それらのアイテムを取ることでその武器に切り替えられるのだが、このアイテムの中に初期装備であるDが混ざっているのが曲者。 Aの斧が一番使いやすいのだが、これを所持している状態でDを取ってしまうと初期装備に戻ってしまう。つまりDは実質弱体化アイテムとなっている。そのためなるべく避けて通りたいのだが、それを見越したかのように絶妙に邪魔なところに設置されている。嫌がらせ以外の何物でもない。 敵や罠の配置がシビアで、初見殺しのものが多い。 突然現れる敵や落とし穴、動く足場といったアクションゲームではおなじみのトラップも、当たり判定が大きくとっさの回避が難しいこのゲームでは凶悪な存在となる。 しかも動く足場は動きに合わせて前進しないと落ちる。 また、狭い通路に杭が仕掛けられていたり、上下に仕掛けられた横向きの回転棒をしゃがみとジャンプを切り替えながら抜けなければならなかったりする。 しかも、後者は着地した先に落とし穴が仕掛けられているという鬼畜ぶりである。この罠があるステージ4は本作で最難関のステージとされる。 最終ステージのドラゴンもしゃがんでから攻撃しないとまともに倒せない。 ゲーム中盤にある、ステージ移行用のエレベーターも初見殺しの罠になっている。 上から下へと降りていき、各階で一定時間止まっては降りていくのだが、 どの階がどこへ繋がっているかは完全にノーヒントにも拘らず、正しい出口から出ないと前のステージに戻されてしまう 。このエレベーターが3か所にも亘って登場するので、頑張って鬼畜ステージをクリアしても全てが水泡に帰すことになる。 そもそもエレベーターと降り口の間をジャンプする必要があり、届かなければもちろん即死。挙動の重い本作ではこれも致命的。 理不尽さは最初のステージで十分に堪能できる。 橋を渡って門番のドラゴンを倒し、城の扉を開けて中に入るという、わずか1画面のステージなのだが…。 橋はところどころ床が抜けるようになっており、立つ位置が悪いと落下死する。微調整が難しいこのゲームでは、床が抜けたらほぼ確実に死亡する。 ドラゴンは主人公が画面の中ほどまで進まないと登場しない。そのまま倒そうとすると近すぎてドラゴンに当たってしまうので、すぐに引き返して距離を取る必要があるのだが、ドラゴンはこちらがしゃがんでいると首を引っ込め、こちらが攻撃したり移動しようと立ち上がった途端に炎を吐いてくるという嫌らしい行動ルーチンを持っている。 主人公の初期装備である短剣はまっすぐ飛ばすことができず、重力に従って失速して落ちてしまうため非常に当てづらい。 ドラゴンを避けて進むこともできるが扉は開かないので先に進めない。また、閉じた扉にぶつかるとなぜか即死する。 + 参考動画 武器使用による体力減少も地味に痛い。 大抵の場合、即死トラップで死ぬのでゲーム全体で見ればそこまで影響はないものの、途中で雑魚からダメージ受けすぎると、実質詰み状態になる。 ボスは武器を使用した攻撃でしか倒せないので、ボス撃破に必要な武器使用回数以下の体力になると実質的な詰み状態。 コンティニューは存在しない。 ライフ(残機)を30から始められる(通常は5)裏技もあるが、一定以上のハイスコアがないと使えない。操作とステージの内容に習熟していないと裏技も使えないし、使えても難易度が難易度だけに焼け石に水である。 評価点 原作がアニメーションを売りにした作品だけあって、背景も含めたグラフィックがファミコンとは思えないほど美しく、主人公も敵キャラクターもよく動く。特に主人公の一挙手一投足の滑らかな動きは特筆に価する。 LD版のストーリーの流れや場面はそこそこ再現している。 かといって死にやすく、初見殺しが多い所まで再現されても困るのだが。 総評 原作であるレーザーディスクの持ち味や雰囲気を踏襲しつつ、アクションゲームとした本作。 しかし、元から高い難易度設定を、操作性周りの不備や難が更に高めてしまい、終始ストレスがたまる出来栄えと化してしまった。 理不尽なアクションゲームが多いFCの中でも屈指の難ゲーといえる。 原作のLD版自体が難易度の高さで有名だったため、その点だけは原作譲りと言える点だろうか。 その後の展開 後にGB・SFC・ジェネシス(海外メガドライブ)にも移植されている。 システムはFC版と異なっているが、難易度が高いことに変わりはない。 ただし、SFC版は名前が「ドラゴンズマジック」になっている。 GB版は、合計194個もの命の石のかけらを全て集めないとクリアできないため、難易度はFC版をも凌ぐ。 また、LD版の初代をベースとした3Dアクションゲーム『Dragon s Lair 3D』がUBIソフトから2002年にGC・Xbox・Windows版、2004年に欧州限定でPS2版が発売されている。 余談 「フローティングリザードキング」(王冠をかぶって浮遊するトカゲのような、得点アイテムを盗む敵)という敵が画面に登場すると、ザコもボスも関係なくすべての敵が消えてしまうという仕様(?)があり、これを利用するとラスボスを倒さずにクリアすることができる(北米版ではできない)。 主人公が杭に潰されると兜と足だけになって少しだけ動けるのだが、その姿がカタツムリにしか見えないため、「潰されるとなぜかカタツムリに変身する」と誤解されることも多い。 一部で妙な知名度を誇る作品のため人気テレビ番組『ゲームセンターCX』でも挑戦希望ゲームの上位に挙がっていたソフトだが、長い事挑戦は行われなかった。(*3)しかし2021年、スタッフの尽力により挑戦への採用が実現した。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/7102.html
ダックハント 【だっくはんと】 ジャンル ガンシューティング 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売・開発元 任天堂 発売日 1984年4月21日 価格 3,800円 プレイ人数 1~2人 周辺機器 光線銃型コントローラ「ガン」専用 配信 【WiiU】バーチャルコンソール2014年12月24日/514円 判定 良作 概要 特徴 評価点 問題点 総評 余談 概要 数少ないFC周辺機器「ガン(Zapper)」専用タイトル三作の内の一作で、任天堂が発売したプロジェクター投影型玩具「光線銃SPシリーズ」の一作「光線銃ダックハント」をファミコン向けにリメイクした作品。(*1) 海外ではVS.システム基板向けのアーケード版『Vs.Duck Hunt』もリリースされている。 3つのゲームモードをプレイし、スコアを競うシンプルなガンシューティングである。 特徴 いずれのモードも画面上に現れるターゲットをガンで撃ち落とす事で進める。 ターゲットを撃ち落とすと画面下にある標的ランプが赤くなり、赤くなった合計数が、その下に表示されているパスラインと呼ばれるゲージ以上になっていればラウンドクリアとなる。 1ラウンドに出現するターゲットは10個で固定。全てのターゲットを撃ち落とせればパーフェクトボーナスが入る。 プレイヤーには持ち弾が設定されており、いずれのモードも1回のターゲット出現ごとに3発しか撃てない。 パスラインはゲームが進むにつれて長くなり、許容されるミス数が少なくなっていく。 GAME Aは猟犬が追い出したカモを撃ち落とす事が目的。カモはある程度ランダムに動く。 カモが出現して一定時間が経過するか、持ち弾を使い切ると逃げられる。 ラウンドが進むとカモの飛ぶ速度が速くなっていく。 2コンを使用する事で、2Pがカモの飛ぶ方向を操作でき、擬似的な対戦としても楽しめるおまけ要素がある。 GAME BはGAME Aの高難易度版で、一セット2羽のカモを3発で撃たなければならない(パーフェクトに許容される無駄撃ちは1発のみ)。 GAME Cはクレー射撃。画面手前から奥に向かって飛ぶクレーを撃ち落としていく。 こちらも一セットでクレー2枚ごとに持ち弾3発。 評価点 ガンシューティングの基礎を押さえたゲーム性 同シリーズの『ワイルドガンマン』『ホーガンズアレイ』が共に早撃ちを主軸としていたのに対し、本作はいずれのモードも移動するターゲットに狙いを定めて撃つ楽しさをメインとしている。 カモやクレーの動きが実にうまく出来ており、動体射撃の面白さを十分楽しめる。 ゲームバランスも良好で、ある程度飛び方が固定されるクレー射撃は比較的楽だが、GAME AとGAME Bではランダムに飛び回るカモを狙うのが中々難しい。カモが2匹ずつ出現するGAME Bはかなり難易度が高いが、それだけにパーフェクトを取れた時の達成感も高う。 ラウンド20以降になると1つでもターゲットを逃した時点でゲームオーバー確定なので、そこに近づくと緊張感のある挑戦となっていく。 グラフィックや音楽も良好 カモや猟犬はアニメ調の絵柄で、ラウンド開始時には猟犬がカモを見つけて草むらに飛び込むデモがある。この時、犬の鳴き声もするなど芸が細かい。 カモを見事撃ち落とせば猟犬が撃ち落としたカモを見せてくれるデモもある。GAME Bでは撃ち落とした数に応じて持っているカモの数も変化する。 クレーの手前から奥へ飛んでいくアニメーションもなめらか。 ゲーム中は基本無音だが、ラウンドクリア時などに鳴る短い曲は小気味よく印象に残りやすい。 問題点 前述の通り、クレー射撃はクレーの飛び方がある程度固定されており、速度も一定なため、慣れるとやや単調に感じやすい。 このためか、比較的簡単にラウンド20を達成できる。 キルスクリーンの存在 ラウンド100(表示上は「ラウンド0」)開始と同時に犬が笑い出し、カモが明らかにおかしい動きで飛び去ってしまう。撃ち落とすことは不可能で、強制的にゲームオーバーになる。 総評 初期のガンシューティング作品としてなかなか良く出来ており、光線銃シリーズのテレビゲーム復活作にして代表作としての地位を確立した名作タイトル。 基本的にスコアアタックメインのゲームなので、短い時間にサクッと遊べる手軽さもあり、気軽に楽しめる一作である。 余談 Wii U用バーチャルコンソールで配信された。 Wiiリモコンに対応した改良版で、リモコンをガンの代わりとする事で液晶テレビでも問題なく遊べるようになっている。 オリジナルにあった撃った瞬間の点滅はなくなっており、画面には常に照準が表示される。照準はリモコンの十字ボタンを押すと消すことも出来、その場合は撃った瞬間だけ表示されるようになる(原作の点滅と同じ形式)。 撃った際にリモコンが振動してリモコンのスピーカーから「カチャッ」という音が流れるなど、ガンでプレイした際の挙動を極力再現しており中々の移植具合である。 光線銃の構造上、現在普及している液晶テレビではプレイ出来ず専用周辺機器の入手もやや難しいため、今からプレイするならVC版が良いだろう。 GAME A、GAME Bでカモに逃げられると猟犬が出てきて笑われるが、これがムカつくという声も多い。 特に海外ではこの猟犬を嫌っているプレイヤーが多く、嫌いなゲームキャラのランキングでも上位に入っている。ただし、ネタ的な投票も見受けられるようだが… 前述の『Vs.Duck Hunt』ではボーナスステージに撃ってはいけないものとして猟犬も登場してくる。うさ晴らしに撃ってしまうプレイヤーも出たが。 『メイド イン ワリオ』のナインボルトステージに本作の再現ミニゲームが登場する。 ちなみに同じ光線銃ゲームの『ホーガンズアレイ』『ワイルドガンマン』も収録されている。 『はじめてのWii』の「シューティング」は本作を発展させたようなゲームであり、本作のカモや『ホーガンズアレイ』の缶が登場する。 そして、その猟犬とカモのコンビ(*2)が「ダックハント」の名で『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』に参戦した。 カモは『大乱闘スマッシュブラザーズDX』にもフィギュアとしてひっそり登場している。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/4046.html
塊魂 【かたまりだましい】 ジャンル ロマンチックアクション 対応機種 プレイステーション2 発売元 ナムコ 開発元 ナムコナウプロダクション 発売日 2004年3月18日 定価 4,725円 廉価版 PlayStation 2 the Best2004年11月3日/2,800円2006年6月8日/1,800円 配信 ゲームアーカイブス2012年11月21日/1,234円(税込) 判定 良作 バカゲー 塊魂シリーズリンク 概要 特徴 評価点 問題点 総評 余談 その後の展開 概要 王様が酔った勢いで銀河の星たちを破壊し尽くしてしまったため、「塊」で星を作って星空を蘇らせるというロマンチックなストーリー。 プレイヤーは「王子」(かなり小さい)となり、親である大コスモの「王様」(かなり大きい)に代わり、塊を転がして大きくする3Dアクションゲーム。 特徴 基本操作で使用するのはアナログスティック2本のみ。スティックを両手に模し、前に倒すと「塊」を前に、横に倒すと横に転がす。 他にダッシュなどの特殊操作もあるが、基本はこれだけである。 塊がステージ中に散らばったモノに接触すると、小さいモノであれば巻き込める。最初は塊自体も小さく巻き込めるモノは限られているが、どんどんモノを巻き込んでいくと塊が次第に大きくなり、大きいモノも巻き込めるようになる。 最初は鉛筆や消しゴムなどを相手にしていたのが、だんだん家具→生き物→車→樹木のように大きくなっていく。 ゲーム後半で、ビルや山などが軽快なSEとともに根こそぎゴッソリ巻き取られていく様は圧巻。 昆虫や小動物のみならず、人間も容赦なく巻き込まれる(巻き込むと悲鳴を上げる)。学校や商店街など人の集まる場所に塊を転がしていき、そこの人間を片っ端から巻き込んでいく地獄絵図も本作の定番。 一部のステージでは道がカラーコーン等で塞がれており、塊が一定のサイズ(=塞いだ障害物を巻き込んで除去できるサイズ)に達しないと通れないようになっている。 また、塊がステージ毎に決められた一定のサイズに達すると、現在の塊のサイズに対してごく小さいモノは存在が消えてしまい巻き込むことはできなくなる。 つまり、5cmとかの小さいモノは塊が割と小さい時点で巻き込んでおかないと、塊が10mにも100mにもなった時点で巻き込むことはできないということである。 通常プレイではあまり気にしなくていい要素だが、後述のコレクション収集やプレゼントでは絶対に意識する必要が出て来る。 ステージは、クリア条件に応じて2種類に大別される。 「星をつくる」 制限時間いっぱい塊を転がし続け、終了時点で規定サイズを超えていればステージクリア。ステージクリアの条件達成時間が早かった場合は「流れ星」を取得し、その達成タイムが記録される。 「星座をつくる」 特定カテゴリのモノを数多く集めるのが条件。 巻き込めるモノの種類は1000を超える。巻き込んだモノは「素敵コレクション」というリストに、茶目っ気溢れる解説文付きで掲載される。コンプリート特典もあり。 ステージには「プレゼント」が隠されている。 これを巻き込んでステージクリアするとアイテムとして入手でき、ゲーム中に装備する事で王子のアバターを装飾できる。 隠しアイテムだけあって、空中などかなりいやらしい場所に置いてある。 BGMのクオリティが高く、また全体的に風変わりである。 多くのステージ曲は「ステキソング」と言うボーカル曲である。本業の歌手やタレントなどが、それぞれの普段の姿とはイメージもジャンルも異なる楽曲を担当している。 メインテーマ「塊オンザロック」に元クリスタルキングの田中雅之。続いて新沼謙治、水森亜土、椛田早紀、チャーリー・コーセイなど。そしてエンディングはかの松崎しげるである。 歌詞の大半は「この広い大宇宙の下、固まり合いつながり合って大きな星になる」という、ゲーム全体を貫く壮大なテーマに沿った内容となっている。 エンディング後は最終ステージで作成した月に移動する事で自由に試聴可能である。 ステージは家の中や町などといった現実的なモチーフであるものの、グラフィックはポリゴン数をかなり抑え目にして作られているため、一見するとシュール。 また、一般常識では考えられないほどとっ散らかった、モノだらけの空間であり、一種独特な世界観が形成されている。 評価点 まずシンプルにして斬新なゲームデザインが高く評価された。チュートリアルも簡潔そのもの。 後にシリーズ化される事になるが、基本的なシステムはずっと同じである。それほど本作のシステムの完成度は高かった。 大きくなった塊で大量にモノを巻き込むと、単純に気持ちいい。また今まで手強かったモノたちが、為す術もなく自分の塊に巻き込まれて「うわー」とか言ってる様は気分爽快である。人間の身の丈に縛られないサイズのモノを相手にできるため、視覚的なインパクトもすごい。 ステージに配置されているあらゆるオブジェクトに干渉が可能で、自由度が高い。 モノが巻き込まれる時のSEも爽快感に貢献しており、様々な種類がある。それぞれウィットに富んでいて面白い。汎用の「ポン!」はシンプル且つ明快で、動物を巻き込めばそれぞれの鳴き声が、人間を巻き込めば悲鳴や謎ボイスが上がる。終盤、ビル街をごっそり巻き込もうものなら阿鼻叫喚の悲鳴の嵐が響き渡る。最早、大災害である。 高評価を得るためにはモノの配置や取得順序をよく考えたルート構築が重要であり、極めようと思うとゲーム性は高い。塊の大きさだけでなく、ノルマ達成のタイムアタックや発見が困難なレア物の収集などやり込み要素もある。 キャラクターデザインが個性的でかわいらしい。 しかし本作の一番人気は、かわいいどころか威厳たっぷりのコワモテと、見た目に反してお茶目な性格と、切れ味鋭い毒舌を併せ持つ王様だろう。プレイ評価が高い時は全力で褒め称えてくれる点も人気の秘密。 幕間のムービーに登場する地球人の親子は世界観に合わせて立方体の頭とカクカクの体である一方で顔はリアル寄りなので最初は気持ち悪く思えるかもしれないが、ゲームを進めるうちにだんだんと愛嬌を感じられる(…かも?) ハチャメチャでシンプルなストーリーと思いきや、エンディングの演出に感動したという声は多い。 スタッフロールの最中にミニゲームがプレイ可能となっており、その内容とエンディング主題歌の歌詞はぴったり合致していて、本編ストーリーとのつながりもある。 EDテーマは松崎しげるの熱唱する「愛のカタマリー(*1)」となっている。「世界平和」を壮大に歌い上げたバラードであり、間奏部分の強烈なフレーズも相俟って(後述)、本シリーズを語る上で欠かせない名曲としてファンから高い支持を得ている。 ミニゲームの説明は無いので、初見時には操作できる事を知らずただ純粋に歌に聞き入ってスタッフロールを眺めていたプレイヤーも少なからずいた模様。しかしそれもそれで一種の味のあるスタッフロールになっており、感動は衰えない。 このエンディングを模したステージが続編『みんな大好き塊魂』に登場する。 以降、エンディング中にミニゲームが遊べるので、スタッフロールを見ている暇が無いのはシリーズのお約束になっていく。 問題点 操作性が悪い 左右のスティックを同時に使う独特な操作方法は、一般的な3Dゲームの操作方法と大きく異なっており、塊を思い通りに動かすにはかなりの慣れと時間が必要。 後続のシリーズ作品と比べても、操作性の悪さが特に目立つ。 チュートリアル自体は存在しているが、それらを触った程度では思い通りにはとても動かせる状態にはならない。 塊をうまく転がせるようになるまでは、ノルマ落ちして王様からボロクソに罵られる事も多い。 この辛口コメントは次回作以降もお馴染みとなり、たとえノルマを達成しても優れた成績でなければやはり罵倒されるのが通例となっている。勿論、逆も然り。 見た目に反して難易度が高い「一見ライト向けの楽なゲームに見えるので挑戦したら、意外に苦労する」というのは「ピクミンシリーズ」に似たものがある。 時間制限が厳しめ 序盤からして慣れない状態だとクリアできるかどうかすら怪しい時間設定である。 中盤を過ぎた頃に、刹那的にプレイしていてはノルマクリアの難しいステージが出てくる。ルート構築というある種ストイックなプレイが必要であり、肩の力抜きっ放しではいられなくなる。 本作は独特なゲームデザインと雰囲気が魅力だが、時間制限が厳しすぎて、それらをのんびりと楽しめるほどの余裕が無い。 時間制限なしで思う存分巻き込めるモード(エターナル)も存在しているが、3ステージのみしかなく、解放するのにエターナルが存在する通常ステージで好成績を収める必要がある。 このゲームの醍醐味である大量のモノを巻き込む爽快感を堪能できるのは中盤あたり以降で、序盤はチマチマしたモノしか巻き込めず地味さがある。 「星座をつくる」ステージの中に「特定の物を巻き込んだら即終了」という物がある。これは大きい物を巻き込もうとするつもりが小さい物を間違えて巻き込んでしまう、という危険性が高いため高評価を得るのが難しい。 しかも小さいオブジェが即死トラップの如く配置されている(*2)ので、余計に難易度を引き上げている。クリアだけならそれでも良いのだが、高評価を目指すとなると神経をすり減らしながらリトライを繰り返す事に。 後述のリトライ性の悪さと相まって、かなり面倒。 後続のシリーズ作品と比べると、塊が障害物に引っかかりやすい。 塊の耐久度も低く、ちょっとぶつかっただけでせっかく作った塊が崩れてしまいやすい。引っかかりやすい点も相俟って、抜け出そうと力を込めて塊がどんどん崩れていく事など日常茶飯事である。 突き詰めるとレースゲームやRTAのようなゲーム性を持つ本作だが、リトライ機能はステージ中にしか使えず、クリア後に再挑戦するには手間がかかる。 ステージ選択画面の全体マップが球状で、デザイン面での人気は高いものの、インターフェース面では使いにくい。 通常ステージが全て同じアイコンで表示されるため、実際に近づいてみなければ見分けがつかず、目的のステージを見失いやすい。 カメラワークはイマイチ。またオブジェクト透過処理してくれないため、何がなんだかわからない状況になる事もある。 酔いやすい。もともと3D酔いしやすいゲームデザインだが、PS2時代の解像度では特に酔ってしまう人が多い。 移動で左右のスティックを両方とも使うため、一般的な3Dゲームと異なりカメラの操作を自由に行えず、酔いやすい。 演出としては面白いのだが、グルングルンとカメラの視点が切り替わるのも、この問題点を助長してしまっている。 やりこみ要素として、各ステージに「イトコ」が一人ずつ隠されているのだが、その出現条件が面倒 通常ステージでは、一度「月をつくる」をクリアしてエンディングを見なければ出現しないため、単純に二度手間になる。 特殊ステージでは、一度そのステージをクリアしなければ出現しないため、こちらも二度手間になる。 人によってはこれらの入手条件に気付かず、「出現エリア付近を必死に探しているのに、どこにも見つからない」という状況になることがある。 初期版では「跳び箱の4段目」が巻き込めない地面の下に配置されてしまっており、素敵コレクションをコンプリート出来ないバグがある。 再プレス以降やベスト版では修正されている。 「地面の下に配置してしまった」ことについては本作ディレクターの髙橋慶太氏が自身のTwitterで明らかにしている。 総評 第一印象の面白さと新しさだけでなく、中身の分かりやすさと奥深さを併せ持つ秀作。 爽快感を多少犠牲にしてでも、ゲームとしてほどよく歯応えのある難易度でバランスが維持され、一発ネタに終わる事なく数多くのシリーズ作品が作られた。 「シュールでカオスでサイケデリックで、なおかつ万人向け」という優れたデザインセンスも好評であり、「ロマンチックアクション」の名に恥じないステキな世界が構築されている。そんな独特の作風に合わせて作られた、変テコでありながらクオリティの高いBGMも魅力の1つ。一見の価値はある作品である。 余談 現実と非現実のちょうど中間をさまようような本作独特の世界観には妙な中毒性があり、つい現実の世界を「あの樹木群に突っ込んで巻き取りたい」などという目で見てしまう人もいるとか。 ゲームソフトとして史上初のグッドデザイン賞(2004年度)を受賞。 本作のED曲を担当した松崎しげる氏は以降のシリーズでもOPやEDの主題歌を手掛けている(『ビューティフル塊魂』を除く)。いずれもシリーズのテーマに合致した良曲なのだが、何故か毎回「日に焼けた肌」という氏の象徴とも言うべきフレーズが何の脈絡も無く飛び出すのがお約束となっている。 本作の「愛のカタマリー」では、間奏部分で「地球が輝く為に必要なもの」として幾つかの要素が挙げられるのだが、最初は「自然を愛する心」とそれらしい物なのに以降は「バランスの取れた食生活」「十分な睡眠時間」と少々ズレたものになっていき、最後は「日に焼けた肌」である。 『みんな大好き塊魂』ではOP曲「塊オンザスウィング」は最後の締めを飾るフレーズが「日に焼けた肌」。一応、太陽に関する歌詞はあるのだが、その前の歌詞との接点が皆無なのがまた「らしい」と言うか…。 『僕の私の塊魂』のED曲はタイトルの時点でお察しの「輝け! Mr.サンシャイン」。全体として見ればテーマに沿った歌詞なのだが、途中は完全に氏の日焼け自慢となっている。 『塊魂TRIBUTE』のED曲「SHADOW AND LIGHT」はいつになくネタ要素の無い正統派の歌詞と思いきや、タイトルにある「影と光」を「日に焼けた肌と輝く白い歯」に例えている。流石と言うか何と言うか…。 その後の展開 2018年12月に本作のHDリマスター版『塊魂アンコール(*3)』がSwitch/Win(Steam)で発売された。2020年11月19日にはPS4/One版も発売された。 開発は『リトルウィッチアカデミア 時の魔法と七不思議』(PS4/PC)の開発にも参加したモンキークラフト。 Win版は比較的動作が軽めで、一般的にゲームには不向きだと言われているオンボードGPU(Intel HD Graphics(*4))でも全然問題なくプレイできる。 オートセーブには対応しておらず、手動でセーブしなければならないので注意。 リメイクではなくあくまでリマスターなので、特に追加要素や次回作以降のシステムの搭載は無く、リトライ不可などの問題点も据え置きである。 ただし、制限時間はかなり緩和されており、むしろ時間が余ってしまうほど難易度が下げられている。また、ロード時間が短縮されている。 また、王様のセリフがリマスターである事を自覚したものになっていたり、ストーリー中のムービーやエンディングに字幕が追加されていたり、一部効果音の変更などがある。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/9484.html
本稿はソーシャルゲームが原作の版権ゲームを扱っています。 本Wikiはソーシャルゲームの執筆が一切認められていないため、CS版の詳細に関する記述に限定し、アプリ版に関する情報は割愛しています。 五等分の花嫁 ごとぱずストーリー 【ごとうぶんのはなよめ ごとぱずすとーりー】 ジャンル メモリアルアドベンチャー 対応機種 Nintendo SwitchPlayStation 4 発売・開発元 MAGES. 発売日 2023年6月29日 定価 パッケージ版 6,980円豪華イラスト画集セット 9,980円ダウンロード版 6,980円五つ子コンプリートセット 19,980円 レーティング CERO C(15才以上対象) 判定 なし ポイント アニメ一期ストーリーと24回のイベントストーリー収録テンポの悪さやUIの不備が目立つ 少年マガジンシリーズ 概要 内容 メインキャラクター 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 2020年にリリースされたスマートフォン用ゲーム『五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。』(通称「ごとぱず」)の家庭用機移植版。 原作アプリはパズルゲームだったが、CS版ではパズル部分はカットされ、アドベンチャーゲームのように読み進める形となっている。 アドベンチャーゲームではあるが『五等分の花嫁∬ ~夏の思い出も五等分~』(以下「ごとなつ」)と『映画「五等分の花嫁」 ~君と過ごした五つの思い出~』(以下「ごときす」)の2作とは違う出来となっている。 当初は2023年5月25日発売の予定であったが、ブラッシュアップのため発売がほぼ1ヶ月延期され翌月29日となった。 内容 初めてのゲーム開始時に履歴書を用意するという名目で主人公の名前と誕生日を決める。 名前は後から変更できるが誕生日は変更不可。誕生日を指定した日にプレイするとホーム画面で五つ子が祝ってくれるという要素がある。 プレイする日によってタイトル画面とホーム画面の五つ子衣装が変化する。 例えば7月1日~10日だと水着になっている等。 ホーム画面での並び順は左から一花、二乃、三玖、四葉、五月で固定。 TVアニメ一期を再現した「アニメ一期ストーリー」 全12章で「結びの伝説2000日」まで(原作でいう原作4巻32話まで)が収録されている。風太郎が焼肉定食焼肉抜きを頼むところから林間学校までを描く。 「五つ子の家に置き忘れるのが財布から単語帳になる」「一花がオーディションに遅刻してしまう」等といったアニメ化にあたって変更された点も受け継いでいる。 アニメで喋っていた部分がテキストで書かれており、時々選択肢もある。一枚絵はアニメ化した際の映像を流用したものである。2D背景に3Dモデルを使った立ち絵で表現している部分もある。 2020年11月からの1年間に開催された24回のイベントの「イベントストーリー」 そのテーマに沿った内容で風太郎や五つ子たちとの掛け合いが行われる。時々選択肢もある。 基本は2D背景に3Dモデルを使った立ち絵で表現している。一枚絵も使われる。 2020年11月からの1年間に開催された24回のイベントの「五つ子ストーリー」 「イベントストーリー」のエピローグを見ると「五つ子ストーリー」の解禁が解禁される。 そのテーマに沿った内容で風太郎と五つ子のうち誰か1人による掛け合いが行われる。 途中でキラキラアップかドキドキアップの選択肢があり、選択によってストーリーが分岐する。 片方見たら選択肢の部分から始めることも可能。一度見たものはキラキラマークorドキドキマークが付くのでどれに分岐するかわかるようになっている。 基本は2D背景に3Dモデルを使った立ち絵で表現している。一枚絵も使われる。 2020年11月からの1年間に開催された24回のイベントの「コクハクストーリー」 「五つ子ストーリー」の2イベント分の選択肢を全て見るとコクハクストーリーが解禁される。2つのイベントで1シーズンなので12回分ある。 「五つ子のうち誰かを選ぶ」「五つ子のうち誰かを選んだあと別の誰かを選ぶ」があるので、1シーズンごとに5人分で差分は10存在する。 これも一度見たら選択肢の部分から始めることも可能。 カードが排出されるようになるのは「五つ子のうち誰かを選んだあと別の誰かを選ぶ」の方である。 + 収録イベント一覧(長いので折り畳み) 五つ子ちゃんと秋のお出かけ ~謎の手紙と××な秋~ 五つ子たちとの勉強会から帰る途中、 待ち合わせ場所が抜けた手紙が鞄の中から見つかる。 その手紙について、五つ子たちを尋ねて回ることになる。 五つ子ちゃんのご主人様 ~日ノ出祭メイドクイーン~ 文化祭で、五つ子たちはメイド服をテーマとしたファッションショーのモデルを頼まれることになる。 参加してる人の中から、投票によって文化祭のクイーンが選ばれる。 文化祭の当日、メイド服に着替えた五つ子たちが声をかけてくる。 五つ子サンタのクリスマス ~届け!デリバリー大作戦~ スマスに妹のらいはにクリスマスプレゼントを買ってあげたい風太郎は1日だけレストランでバイトすることに。 当日、何故か五つ子たちもレストランにやって来て、 みんなでお仕事に励むことになる。 五つ子たちの協力もあって、仕事は順調に進んだが…。 五つ子ちゃんと冬のおでかけ ~イルミネーションラビリンス~ 息抜きが必要ということで街に出かける。 しかし、突如五つ子たちがいなくなってしまう。 風太郎は五つ子が作った問題を解いてそれぞれが待っている場所に向かうことになる。 五つ子ちゃんの正月デートが一花の場合 ~ナイショの初詣~ 五つ子たちのお正月に招待され、豪華なおせちや餅に舌鼓を打った後はゲーム大会。 おなか一杯になった一花は眠っているので、代理で風太郎がゲームに参加。 ほかの五つ子たちも遊び疲れて眠ってしまう。そんな時、目を覚ました一花が風太郎を外に連れ出して…。 五つ子ちゃんの温泉旅行 ~混浴?温浴?スタンプラリー!~ 五月が福引で当てた温泉旅行にやってきた。 五つ子はそれぞれ行きたい所があるようだ。 温泉スタンプラリーをしながら観光地を巡ることになる。 五つ子ちゃんのバレンタイン ~溶かして固めてハイどーぞ!~ 『もうすぐバレンタインだしみんなでチョコを作って食べちゃおうパーティー』を開催され、風太郎は五つ子に呼び出された。 五つ子たちは風太郎のアドバイスを聞きながらそれぞれ手作りチョコの材料を揃える。 買い物が終わったらパーティ会場に移動。五つ子たちがチョコを作ったが、だれがどのチョコを作ったか当てられるだろうか? 五つ子にゃんと猫カフェバイト ~謎のコクハク!キミが好き~ 一花に割のいいバイトだと呼び出されたが、そこはオープンしたてのネコカフェ。猫耳姿の五つ子がお出迎え。 店長から留守番を頼まれて、五つ子と共に協力して猫の世話とお店の宣伝に奮闘する。 五つ子ちゃんのプリンセスが二乃の場合 ~パレードは突然に~ アラビア風のお姫様の格好をした二乃が夢に出てきた風太郎は、五つ子たちに誘われてオープンしたばかりの遊園地にやってくる。 童話(『眠れる森の美女』『アラジンと魔法のランプ』『シンデレラ』『白雪姫』『不思議の国のアリス』)をモチーフにしたアトラクションを楽しんでいると突然、園内アナウンスで五つ子たちが呼び出される。 五つ子ちゃんとお花見さんぽ ~場所取り名人はだ~れ?~ 五つ子たちやらいはと花見をすることになった風太郎は場所取り係に立候補したが、徹夜したためバス停で寝てしまう。 代わりに、らいはの連絡を受けた五つ子たちが場所取りをすることに。 らいはは、五つ子たちが見つけた中で、一番お気に入りの場所があるようで、風太郎にその場所を当てて欲しいと言いだし、らいはが気に入った場所を推察することに。 五つ子ちゃんと夜桜クルーズ ~船上ライトアップロマン~ 知り合いに屋形船の招待券をもらった風太郎。普段のお礼にと、五つ子たちを屋形船での夜のお花見に誘う。 ノリノリで貸し出し衣装に着替えた五つ子たちを乗せ、 屋形船が動き出す。 五つ子ちゃんのパジャマパーティ 深夜の女子会からの脱出 五つ子を探してレンタルルームにやって来た風太郎。そこでは五つ子がパジャマパーティを開いていた。 風太郎に見張られながら、五つ子たちは事課題を終わらせる。 しかし、風太郎が出ようとすると、何故かドアが開かない。部屋を出るには江端(*1)が用意した謎を解かなければならなくなった。 五つ子ちゃんのバースデー ~南の島でお祝いを~ 勉強を頑張ったご褒美旅行に来た五つ子と風太郎。 風太郎は間もなく訪れる五つ子たちの誕生日のために バースデーケーキを選ぶ役を任されることに。 風太郎は五つ子たちと街を歩きながらそれぞれの好みを探り、 全員が満足できるケーキを見つけることに。 五つ子ちゃんのナースが三玖の場合 ~お注射の時間です~ 五つ子たちが、父親の知り合いの病院(*2)で、 1日看護師体験をすることに。風太郎が入院患者役になって、五つ子たちにお世話をしてもらう形。 みんなが張り切っている中、風太郎は看護師に5人のうち誰かが体調を崩しそうだと聞かされる…。 五つ子ちゃんとヒミツの雨上がり ~紫陽花公園でつかまえて!~ 風太郎は五つ子に連れられて 紫花公園にやって来た。 五つ子たちは、公園の中でそれぞれが出す謎を風太郎が解けたら、1週間後の勉強会に全員参加すると約束。 風太郎は勉強会のために次々と謎を解いていくが…。 五つ子ちゃんのバーガーショップ スマイル5倍でポテトもいかが? 学校の課外授業でハーガーショップで職業体験をすることになった風太郎と五つ子たち。 作業を分担して開店準備を進める。 風太郎が客となり、五つ子たちは接客練習も行った。 開店し、沢山の客の注文を協力してこなしていく。 常連客が五つ子たちに、ある提案をしたが…。 五つ子ちゃんと真夏のビキニ ~飛びっきりのサマータイム~ 五つ子たちから海沿いのリゾートホテルに誘われた風太郎。とはいえ、そこは家庭教師の上杉風太郎。五つ子たちに勉強をさせることは忘れていない。 無事に勉強を終えた風太郎と五つ子は、 ホテルで行われているイベント 「ビーチを楽しむ宝探しミッション」に参加することに。 ミッションをこなすと出会える素敵な宝とは一体? 五つ子ちゃんと夢幻のひまわり ~私たち入れ替わってる!?~ 目が覚めると、風太郎はひまわりに囲まれた幻想的な場所にいた。 そこに一花と四葉がやって来て、中身が入れ替わってしまったと風太郎に告げる。 風太郎はひまわり畑を回って五つ子たちを探し、真相を突き止めようとする。 五つ子ちゃんの花火大会が四葉の場合 ~大きくて小さなサプライズ~ 風太郎と五つ子たちは花火大会にやってきた。 かき氷、りんご飴、人形焼き、焼きそばといった、屋台ならではの食べ物を買ってきて、みんなで楽しく食べる。 食事を終え、花火が始まるまで自由行動になり、その時風太郎は、四葉のいつもと違う様子が気になり…。 五つ子ちゃんとお洒落なキャンプ トラブル・グランピング 風太郎と五つ子たちは、グランピングが楽しめるキャンプ場へやって来た。 ところが予約の手違いでキャンプ場まっていて、火を起こす道具すら借りられない状況に。 それでも風太郎は、みんなで協力してキャンプを決行しようと提案。五つ子たちはアイデアを出し合い、 こんな状況でもご馳走を作る方法を考えることに。 五つ子ちゃんのフレフレ!チアガール! ~五人でGo for it~ チアダンスクラブに参加して地元の少年サッカークラブを応援することになった五つ子たち。 割のいいバイトということで風太郎も試合当日の雑用スタッフとして手伝うことに。風太郎は練習中の五つ子たちにアドバイスしたり、 励ましたりする。 そしてやって来た試合当日、準備万端の五つ子に、思いもよらないトラブルが起こる…。 五つ子ちゃんのうさみみパーティ ~満月の女子会からの脱出~ ウサギだらけの部屋でウサギの格好をしてパジャマパーティを開催する五つ子たち。 勉強をせずにパーティをしていると聞いて飛び込んできた風太郎は前回のパジャマパーティに引き続き、またしても五つ子と一緒に部屋に閉じ込められてしまう。 もちろん、脱出するには謎を解き明かさないといけない。今回江端が用意した謎は、 風太郎と五つ子たちの記憶力を問う物。 五つ子ちゃんのハロウィンタイム ~TrickでTreatな夜~ 五つ子に呼び出されて待ち合わせの場所にやって来た風太郎。そこにはハロウィンの仮装に身を包んだ五つ子たちが待っていた。 ゲームに勝てば貰えるお菓子を倍にすると言われた風太郎は、 沢山お菓子を持ち帰ればらいはが喜ぶと考え、五つ子たちの挑戦を受ける。 そのゲームは五つ子と風太郎との知恵比べだ。 五つ子ちゃんのガールズバンドが五月の場合 ナゾの楽譜と思い出のカタチ ガールズバンドを結成して地元のフェスに参加することになった五つ子たち。 風太郎は参加賞で商店街の割引券セットがもらえると知り、五つ子のサポート役を務めることに。 本番のステージを借りて練習する日となり、移動の最中に五つ子の誰かが落とした楽譜を拾うのだが…。 鍵 「イベントストーリー」と「五つ子ストーリー」の解禁には鍵が必要。鍵はログインボーナスで15個、「アニメ一期ストーリー」は1章ごとに15×2で30個、「イベントストーリー」のエピローグを見ることで3個手に入る。 ガチャ ストーリーを最後まで読み進めるとガチャに「カード」が投入される。そのため、解禁にはある程度ストーリーをこなす必要がある。 1回につき10枚のカードを引ける。ポイントといったものは一切必要なく、何度でも引ける。 ガチャで出るのは「イベントストーリー」や「五つ子ストーリー」で使われる一枚絵で、「アニメ一期ストーリー」で使われる一枚絵は対象外。未入手のものが優先的に出るようになっている。 ガチャで引き当てたカードは「アルバム」に登録される。プロフィール画像に使うこともできる。 メモリーズ ガチャで引き当てたカードとお気に入りに登録したシーンを閲覧可能。 お気に入りは当該シーン中に登録可能。 ラストプレイ 最後にプレイした場所から再開可能。 プロフィール 名前・カナ、実績(アニメ1期、イベント、五つ子、コクハク、カードの収集率)、お気に入りの一枚絵が確認可能。 メインキャラクター 上杉風太郎(うえすぎ ふうたろう) 主人公。大仏の町・太田川(*3)にある旭高校(アニメ1期ストーリーでは「旭山」になっている部分がある)に通っている。クラスは2年1組。成績は英語、数学、国語、理科、社会の5科目で100点を取れるほど優秀だが、身体能力は三玖と同等程度に低い。父親同士の繋がりによって中野家の家庭教師を請け負うことに。 本作では名前変更可能であり、デフォルトネームは上杉風太郎、カナはウエスギ フータロー。一花と三玖の呼び方から名の読みのデフォルトがフータローになっている。 上杉らいは 風太郎の妹。上杉家の家事担当。本作ではナビゲーターを担当する。 風太郎ことを「クズで自己中で最低の人間」と評する一方「良いところもいっぱいある」と評する。そんなこともあり、風太郎に毒を吐くこともあるが、健気さ故に風太郎から溺愛されている。 中野一花(なかの いちか) 中野家の長女。公式イラストでは 黄 のクッションを抱きしめている。髪型はアシンメトリーのショートヘアー。 制服の着方は胸元のボタンが開いていて、上着を腰に巻いている。 右耳にピアスをつけており、一期ストーリーの9章で見られるアイコンもピアスになっている(ステンドグラスか魔法陣のような模様だがではピアスということになっている模様(参考))。 女優になる夢があり、学校に行きながら仕事をこなしている。花火大会以降、風太郎に好意を持つようになる。 クラスは2年2組であり、同じクラスの前田に一緒に踊ってほしいと言われたことも。 中野二乃(なかの にの) 中野家の次女。公式イラストでは 紫 のクッションを抱きしめている。髪型は黒い蝶の髪飾りを左右に着けたツーサイドアップ。 髪型が変わるエピソードはアニメ2期の内容となるため未収録。「イベントストーリー」「五つ子ストーリー」では「五つ子ちゃんの温泉旅行」までが髪型を変える前で、「五つ子ちゃんのバレンタイン」から髪型を変えた後になっている。 制服を着ているときは黒いカーディガン(アニメ1期ストーリーでは紫に近い配色になっている。これに関しては後述)を羽織っている。制服の衣替えという概念を失っている設定らしく、冬服でもブレザーを着用しない。靴下は白いニーソックスを履いている。クラスは2年5組。 好きな動物はうさぎであり、アイコンはうさぎ。スマホや花火大会の時に着ている浴衣などもウサギをあしらったものになっている。 風太郎に対する印象は悪く、初対面から酷い発言があったり、飲み物に睡眠薬を盛ったり、他の4人の勉強の妨害をしたりする等問題行動が目立っていた。 おしゃれに気を使うところがあり、ネイルをしたり、コンタクトレンズを着用しているほか、風太郎にピアスを開けさせようとしたことも。社交性も高いようで、二乃の友人が2人確認できる。 ワイルドな男性が好みなようで、金髪姿の風太郎を見たときは一目惚れしていた。 中野三玖(なかの みく) 中野家の三女。公式イラストでは 青 のクッションを抱きしめている。セミロングで右側が隠れるような前髪が特徴で、ヘッドホンがトレードマーク。 制服の着方は青いカーディガンを着ておりボタンは全て留めている。夏でもストッキングを履いている。クラスは2年4組。 戦国武将が好き。特に武田信玄を好んでいる事から、風林火山も度々引用している。武田菱も三玖のアイコンとして使われている。「自分の趣味は変わったもの」だと考えている為、姉妹にも秘密にしていた。 姉妹の中で最も最初に風太郎への好意を自覚したが、彼の好みの女性像(「いつも元気」「料理上手」「お兄ちゃん想い」)が自分と反対なのを気にしている。 料理は不器用で味音痴なうえ、手順通り作っても失敗するため、大の苦手である。貧乏舌の風太郎は問題なく食べられるが… 中野四葉(なかの よつば) 中野家の四女。公式イラストでは 緑 のクッションを抱きしめている。リボンがトレードマーク。 名前に四葉とあるだけあって、私服に428と書いてあるものがあったり、四つ葉のクローバーがアイコンになっていたりする。 制服は胸元に緑色の蝶々リボン、黄色のベストを着て、靴下は黒のハイソックスを履く。クラスは2年3組。 とても人懐っこい性格で早い段階から風太郎に付きまとっており、勉強会にも一応早い段階から参加しているが、頼まれごとがあるとそちらを優先してしまう。 らいはのことを気に入っており、妹にしたいと口走ったりしたことも。 中野五月(なかの いつき) 中野家の五女。公式イラストでは 赤 のクッションを抱きしめている。星型の髪飾りとアホ毛が特徴。アイコンも星。 制服はシャツの上に赤いベストを着ており、白いハイソックスを履いている。また、姉妹の中で一番スカートの丈が長い。 風太郎と同じクラス(2年1組)だが、初対面からいきなり風太郎にデリカシーのない言葉を言われたことを根に持ち、彼を敵視していた。 食いしん坊な一面があり、二乃から「肉まんお化け」と呼ばれている。星のアイコンで食いしん坊だからといって星のカービィではない 上杉家に来た時かららいはのことを気に入っており、彼女の頼み事は基本的に断れない。 評価点 「アニメ一期ストーリー」はアニメのそのままの内容なので、ファンも普通にアニメが好きな人も楽しめる 初期の五つ子の当たりが意外と強い(特に二乃と五月)。主人公に心を許した五つ子しか見てこなかった場合だと逆に新鮮に映るかもしれない。 会話も主人公と五つ子で行われるのは当然ながら、姉妹同士で行われる場面も多い。 「イベントストーリー」では五つ子たちの日常を垣間見れるものが豊富にある 「イベントストーリー」や「五つ子ストーリー」ではテキスト量は多くないが五つ子たちの個性の持ち味を生かした内容になっている。目立ったキャラ崩壊はない。 ただ読み進めるだけでなく、ストーリーによっては謎解きやクイズ、五つ子当てなどもある。 グラフィック 3Dモデルは2期・映画準拠のモデルで出来は悪くない。 ごとぱずオリジナルイラストのクオリティは高い。 その数も586枚とこの手のゲームにしては破格の量となっている。 サウンド 『スマブラX』『新パルテナ』等に参加した西隆宏氏と『ポイズンピンク』『ラングリッサーI II (Switch/PS4)』等のオカモトタカシ氏の2名が参加。 アニメと異なるBGMとなっているが、場面自体には合っている。例えば、呆れたようなシーンで流れる「もやもやする」はそこそこの頻度で使われたりする。 お金持ちのお嬢様を強調した五月のテーマなど、キャラクターのイメージから若干ズレているのでは?という曲も存在するが、そういった曲も曲自体の評価は低くない。 メインテーマは上杉らいは役の高森奈津美氏が歌う「わたしのヒーロー」。これまでの主題歌だった中野家の五つ子の曲と趣が異なる曲で、らいはの風太郎への想いが見事に表現できている。 UI オートモードに加えて、お気に入り機能、バックログ、早送り(未読スキップ)の機能も備えられている。 賛否両論点 ホーム画面の仕様 前述の通り、プレイする日によってタイトル画面とホーム画面の五つ子衣装が変化する仕様になっている。 日によって変化が楽しめる反面、衣装・背景等をカスタマイズすることができない。特定の衣装でないと見れないモーションもあったりする。1期ストーリーと24回のイベントストーリーの要素が揃えられているだけに、それらを任意の時期に閲覧できる要素が欲しかったところ。 問題点 分割されたストーリー 「アニメ一期ストーリー」はアニメ1話分を10分割、「イベントストーリー」では1つのイベントを18分割されている。 ここで問題となるのが分割されたストーリーごとに挟まれるスキップor早送り不可能の「右下に「○○へ続く!」という表示→画面中央にロゴと題名表示」の存在。その長さも15秒程度と決して短いとは言えないので、テキスト量の短さの割にテンポが悪い仕様となっている。 その中でも「前編・後編」で分割されているものは分割の必要性自体疑われるものとなっている。流石にこのあたりは統合すべきだろう。 「五つ子ストーリー」「コクハクストーリー」はこのような分割がされていないため問題は起きていない。 「コクハクストーリー」の結末の使い回し 結末部分がシーズン1は2~5、6は7~10、11は12と内容が重複しており、選択肢の分岐も考慮すると1人当たり合計6パターンしかない。 シーズン4~5の二乃は原作後期準拠にもかかわらず、結末部分は原作初期準拠のテキスト・グラフィックになっているため、違和感がある。 UIは完璧とは言えず、過去のCS作品でできていた要素が抜け落ちている部分もある 既読の表示がない。 「コクハクストーリー」ではこの影響がモロに出ている。一応達成率はパーセント表記で見られるし、「五つ子のうち誰かを選ぶ」「五つ子のうち誰かを選んだあと別の誰かを選ぶ」の両方見ればメニューにある五つ子アイコンの「!」が消える(*4)が、既に選んだ選択肢の表示や既読のテキストの表示がなく、どこが未読かがわからなくなっている。既に見た選んだ選択肢を忘れてしまったらしらみつぶしに探すしかない。 読み返し機能は選んだ選択肢は表示されない仕様になっている。『ごとなつ』『ごときす』のバックログは選んだ選択肢は表示されていた。 また、シーンジャンプもできなくなっている。 ガチャは一括で結果を表示することができず、1つずつしかスキップできない。 「アニメ一期ストーリー」部分の絵柄 アニメ1期の一枚絵による画像と本作で用意された3Dモデルが併用されている。一枚絵は1期のものだが3Dモデルは2期・映画準拠。 どういうことかというと、流用元であるアニメ版が1期と2期・映画ではスタッフや制作会社が大きく異なる(アニメ1期は手塚プロダクション、2期・映画はバイブリーアニメーションスタジオが担当)上、1期特有の画風が引き継がれず2期で一新された経緯を持っている。そのため絵柄の違いが比較的大きめになっている。そんなアニメ1期の一枚絵をそのまま使用したことにより、一枚絵と3Dでキャラの線や色使いにかなり違いが出ており、違った印象を与えるキャラクターが散見される。 わかりやすい例として髪の色が赤茶色(2期・映画は茶色)の三玖、カーディガンの色が紫色(2期・映画は黒)の二乃、目の色が緑色(2期・映画は黄色(*5))のらいは、色が紺色(2期・映画は黒に近い)の高校制服のブレザー等。 質的な意味でもごとぱずオリジナルイラストと比べると全体的に低め。 ごとぱずオリジナルイラストは書き下ろしな上に2期・映画の絵柄に合わせており、3Dモデルとの差異は少なくほとんど違和感はない。 風太郎のボイス 主人公である風太郎役の松岡氏のアニメの演技は、ちょっとしたセリフにも風太郎の苦労人感がよく表現されていたが、本作ではそれがまるまるスポイルされた。 また「イベントストーリー」「五つ子ストーリー」も主人公のボイスは当然の如く用意されていない。 主人公の名前がボイスで読み上げられない 今作は主人公の名前が可変となっており、主人公に関するテキストはボイスがすべて読み飛ばされる。 「イベントストーリー」「五つ子ストーリー」では名前のカットをある程度考慮して執筆されているが、「アニメ一期ストーリー」のテキストは名前のカットを前提としたテキストにはなっていない。字幕と音声の違いはかなり不自然な印象を生み出している。 まるまる一行読み飛ばされる物から、二人称や指示代名詞で無理やり読み替えられるまで、パターンは様々。 前者は例えば「いじわるするフータローには飲ませてあげない」が「いじわるする 飲ませてあげない」と読まれるといった具合。後者の例としては、「フータロー 君 (くん)」が「 君 (きみ)」と読まれてしまう。 実際にプレイするとテキストとボイスの不一致が大きな違和感を生み出し、没入感が削がれてしまう。 リメイク版『ライブアライブ』等でも似たようなケースがあり、そもそもこうしたリスクを背負ってまで名前を可変にすべきだったのか、デフォルトネーム時のみ主人公名を読み上げるのでは駄目だったのかなど、改善の余地があっただけに何とも残念である。 寂しい設定項目 設定できるのはBGM、効果音、ボイス、ムービーの音量と継続設定のみ。 『ごとなつ』『ごときす』ではテキストの表示速度やメッセージウィンドウの透明度、キャラごとの音量設定等もあったがそれも存在しない。ベースが異なる(*6)都合上ノウハウをそのまま流用できなかったのかもしれないが…。 総評 本作を一言で言い表すと、「ストーリー付きのアプリゲームからストーリーを抽出しアドベンチャーゲームに調整した作品」である。 アニメの雰囲気そのままで、様々なイベント要素を楽しめるのは魅力的。 一方で、アドベンチャーゲームとして見た場合、テンポの悪さやUIの粗さが目に付きやすい面が見られる。 本作の1期ストーリーの範囲は原作漫画やアニメでも体験できるが、『五等分の花嫁』には興味があるというユーザーなら本作を手に取ってみる価値はあるだろう。 余談 サントラ化で初めて本作オリジナル曲に曲名が付いた。なお、ゲーム内にサウンドテストにあたる機能は存在せず、サントラでのみ曲名を見ることができる。 ただし、クリスマスやお正月等に使われるBGMは未収録となっている。 曲名は、使用場面や原作の台詞をそのまま曲名にしたものが多い。 例えば三玖のテーマ曲が「この町には まともな家庭教師は」となっているが、五月もこの台詞を言っており、三玖自身がかなり早い段階で風太郎と打ち解けるキャラなので違和感はある。 過去の五等分のコンシューマゲーム作品と同様に動画サイトでの実況・配信が公式にて禁止されている。 禁止されているのはCS版で、アプリ版は禁止の通達は出されていない模様。 ゲーム本体のキャプチャ機能には制限はかかっていない。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3101.html
ドラゴンバスターII 闇の封印 【どらごんばすたーつー やみのふういん】 ジャンル アクション 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 ナムコ 開発元 トーセ 発売日 1989年4月27日 定価 5,356円(税3%) 判定 シリーズファンから不評 ポイント 視点も武器も前作から変更ひたすら単調なゲームに 概要 システム 問題点 評価点 総評 余談 概要 トップビューのアクションゲーム。サイドビューで剣を振るった前作『ドラゴンバスター』とは完全に別物の内容となっている。 時代設定は前作で活躍したクロービスの時代よりも過去の話。キングドラゴンに盗まれた剣を取り戻すために、主人公カールが弓矢をもって戦いに挑む。 システム 概要にあるようにトップビューアクションゲーム。 各面には全体マップがあり、マップ上には洞窟・廃墟・塔といったダンジョンが点在していて、ステージごとに通り抜けるだけの穴埋め迷宮、矢筒がたくさん落ちている迷宮、アイテムがある迷宮に割り当てられている。それを踏破しつつ、ドラゴンがいる最終ダンジョンを目指す。 マップ上には他に、森・砂漠・柵・湖などといった障害があり、主人公の行く手を阻む。これらを突破するアイテムは、特定のダンジョンをクリアする事で手に入る。 全6面。 ダンジョン内は先が見えない構造になっており、進んで行くことで段々と先が見えて来る。一度通った場所は、全て明らかになっている。 攻撃は弓だけ。矢は壁に当たると跳弾する。 矢の数は有限であり、矢の補充はダンジョン内に落ちているものを拾うという仕組み。 ダンジョンにはモンスターがいるが、姿が見えなくても攻撃してくる。逆にこちら側から攻撃を仕掛けることも可能。 ダンジョンには各種アイテムを落とす、中ボス的存在のルームガーダーがいる。ダンジョンをクリアするキーアイテムもルームガーダーが所持している。近づくと、「バオー、バオー」という警告音(鳴き声?)がするので、その存在を察する事ができる。 各面の最終ダンジョンにはドラゴンがいる。ドラゴンには弱点があり、そこを攻撃することで早く倒せる。 ダンジョンでの行動には時間制限がある。制限時間を超えると、ワイルダーというムカデのモンスターが足元から大量に襲ってくる。 体力は服の色で表現されており、満タン時の青からダメージを受けると緑→黄色→赤の順に変化し、赤のときにダメージを受けると1ミス。 一部のダンジョンに妖精がおり、4匹集めると残機が一つ増える。 セーブ方法はパスワード式だが後述される問題点がある。 問題点 単調なゲーム性。 前作にあった魔法、技はなくなり、攻撃手段が矢を放つのみとなった。おかげで、敵をチマチマと撃っていくだけとなる。 雑魚モンスターは面が進むと変わっていくが、対応方法はほぼ同じ。ルームガーダーに対しても、どんな相手だろうが似たような戦い方となる。 矢は跳弾するが、これが役に立つことはほとんどない。 攻防用のアイテムも、普通の矢以外は「炎の矢」と「盾」の2種類だけ。弾数、効果時間も限られており、正直申し訳程度の意味しかない。 そもそも当時のファンタジー系のモチーフの魅力は剣に集約されていた風潮なのに、主人公に弓などという地味な武器を選んだ時点で自分で自分の首を絞めている。 前作の主人公が剣使いだったのにもかかわらず、わざわざ劣化した弓になっただけでモロにマイナスに見られてしまった。パッケージイラストの主人公も前作同様美少年ながら剣を使わないだけで、そのかっこよさが半減して見られてしまったという非常に勿体ない結果となった。 どうしても弓を持たせたいならばせめて剣も併用するべきだったといえるだろう。これは敢えて王道に逆らうというチャレンジを試みたが結果として実を結ばなかったというべきかもしれない。 各ダンジョンは絵柄や通路の違いはあるが、ギミックがほとんどなく、差が感じられない。 また、ダンジョンは広さに差があり、穴埋め迷宮と矢筒の迷宮はそんなに広くはなく、アイテムが取れる迷宮は広い場合が多い。いずれの迷宮もループ状になっており迷いやすい。 マップの障害も種類は多いが、突破法はどれもキーアイテムをダンジョンから取って来て使うだけなので、実質的には代り映えしない。 こうしたマップギミックは、元々前作のFC版で導入されたもの。本作では種類が増えているが、戦闘面の要素があまりにも減り過ぎた分、相対的に目立ってしまう。 ダンジョンでは基本的にBGMが存在しない。 その名の通り効果音のみである。あえて言うなら、「テコテコテコテコ」という主人公の歩行音がBGM代わりか。 前作ではマップBGMが無い一方、アクションの中心となる各種ダンジョン内でBGMが用意されていたのだが。 ルームガーダーが落とすアイテム「盾(一定時間無敵化)」の効果中のみBGMが流れる。 セーブ後再開すると、面の最初に戻され、せっかく増やした矢、クリアしたダンジョンも、全て初期状態に戻ってしまう。 面のスタート時の状況によっては、矢も手に入りにくくなっていくので、後半でのセーブは難易度がかなり上がってしまう事になる。 逆にセーブしないでいくと、アクションゲームとしてはプレイ時間がかなり掛かることに。 評価点 ダンジョンは先が見えないため、慎重さを要求されるホラーゲーム的な要素がある。ルームガーダーの警告音も、いい効果を出している。 グラフィック面は良好。 敵のアニメーションは細部が凝っている。 面クリアデモは、ファミコンにしては、遠近感を上手く表現した悪くない映像。 総評 とにかく単調なゲーム。山のようにある似たようなダンジョンで、似たような戦いをひたすら繰り返すだけのゲームになってしまっている。セーブをすると難易度が跳ね上がるため、通しで続けざるを得ないという点もこのゲームの単調さを強めている。ホラーゲーム的な要素は悪くはないのだが、強いて言えばそれしかないのではさすがに飽きが来る。 実際ゲームとして破綻している訳ではないのだが、面白いと思える部分も乏しく純粋につまらないゲームである。これでは「名作の続編を冠するには値しない」と言われても無理はないだろう。 余談 2020年6月18日に発売された『NAMCO MUSEUM ARCHIVES Vol.2(*1)』にて、本作が収録。海外圏では初のリリースとなっている。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/2288.html
パワプロクンポケット6 【ぱわぷろくんぽけっとしっくす】 ジャンル 野球ゲーム 対応機種 ゲームボーイアドバンス メディア 64MbitROMカートリッジ 発売元 コナミ 開発元 コナミコンピュータエンタテインメントスタジオ(ダイヤモンドヘッドプロダクション) 発売日 2003年12月4日 定価 5,040円 プレイ人数 1人~2人 レーティング CERO 全年齢対象 判定 良作 ポイント 「しあわせ草」「ワギリバッテリー」「ほるひす」初登場シリーズ唯一まともに野球をやってる裏サクセスイベント特化の「表」と育成しやすい「裏」GBAパワポケの完成形にしてストーリーの転換期賛否両論となる「パワポケシステム」裏サクセスのノリがカイジ パワプロクンポケットシリーズ 概要 ストーリー 特徴 彼女候補 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 おもしろゲームがどっさり! 概要 本家とは似ても似つかないシナリオや彼女、サクセスで人気を集めてきたパワプロクンポケットシリーズの6作目。 「パワポケシステム」が初登場。アイテム持ち込みと裏サクセスの登場などを行える。 本作はタイムパトロールの主人公が時間犯罪者を追いつつ零細工場を救う「表サクセス」と借金のカタに連れ込まれたしあわせ島の労働を描く「裏サクセス」がある。 「怪しい薬」が廃止されたため、投手の場合「ランナー×」などの変わった特殊能力も通常のイベントで取得するようになった。 ストーリー 「社会人野球編」主人公はタイムパトロールであり、時間犯罪者を追ってこの時代にやってきた。今回の時間犯罪者が狙うのは、近い将来エネルギー問題を一挙に解決する「ワギリバッテリー」を開発をする和桐製作所。時間犯罪者から守るために入社する主人公だったが、和桐製作所は借金経営で今にも倒産しそうだった。時間犯罪者から守るため、会社の野球チームと仕事と奔走する。 「しあわせ島編」和桐製作所の存続をかけた試合に負け、主人公は借金のために、謎の組織『BB団』によって運営される強制労働施設「しあわせ島」に送られてしまった。スポーツチームも所持しているBB団で野球班に配置された主人公は、毎日限界まで行われる強制労働に日々気力を削り取られていく。しかし和桐製作所を再建するため、野球班の仲間と共に島を脱出するための機会、そしてBB団の秘密に迫る。 特徴 表サクセスのノリは「借金を返済するメドを通すために野球勝負を仕掛ける」というモノ。大帝国キラーズ戦まではこちらがリードしてるか同点から始まるためクリアはしやすい。 その後は「裏野球大会」としてドーピングしてパワーアップする老人チーム「光圀インローズ」、『3』の味方チームだった「火星オクトパス」、裏サクセスに登場する過去の強豪チーム出身のモブキャラが多い「ブラッドバタフライ一軍(難易度はパワフル)」 ネタキャラチームの「ブリティッシュピンキーズ」 そしてパワポケ屈指の強敵「USスーパースターズ」との熾烈な試合がある。優勝しなくても目的は果たしきっているが、表で強めの選手を作りたければ避けては通れない。 ブラッドバタフライ一軍とUSスーパーヒーローズは裏サクセスでも戦える。裏の方が運は絡むものの撃破しやすい。 なお裏サクセスは「借金返済の試合に敗北して借金のカタに島送りにされた」というBADENDのアフターとなっている。そして正史である。 今までの主人公は(サイボーグに無理やり改造された3主人公のようなのも居たが)基本的には普通の人間ではあったが、本作の主人公はタイムパトロールという背景的には異質な存在でもある事からストーリーの転換期であったと考える人は少なくない。 しかし戦闘能力の高さや借金を取り立てに来るやくざ達への反応、ヘルガや彼女候補に見せる大人な側面から魅力のある主人公として評価する声もある。 仲間キャラは『4』から再登場した山田の他、車マニアの三船、変人の兄に振り回される野球経験者の弟の智林兄弟、出稼ぎ労働者のカビンダ、おまわりさんの守田、サイキッカー捕手のゆうまくん、沙耶を攻略する際についでに仲間になる貴田、マザコンの村山、中盤までは敵対してたものの裏野球大会前に助力してくれる奥野などどこか変な奴らだが、憎めない側面も持っていて印象深い。 裏サクセスでは「小杉優作」や「倉刈仁志」が落ちぶれて再登場。最初はマイナス得能を持っていてモブより使いにくいがパワーアップさせることで頼りになる人物として覚醒する。『4』のライバルキャラ「布具里(ふぐり)」も再登場し、背景描写の掘り下げや下ネタ度のパワーアップなど印象深いキャラとして飛躍を遂げてしまった。 コロコロコミックで読者公募のキャラを起用している。「漁火剛(いさりびつよし)」と「ほるひす」がそれである。 漁火はデザインは良いのだが地味。「発火能力者」であり展開次第ではテロリストになってしまう。彼と主人公の対話で「未来に超能力が認められていること」が発覚し、それが『10』でのカズや五十鈴を始めとした超能力者の台頭に繋がった事は賛否が分かれる。 ほるひすは当時、幼児の人物によって描かれたキャラだが原画そのままゲームに出ている。その不思議さは主人公に驚かれているが、和桐製作所を支える有能な人物であるらしい。「ほるひすだよ、ほーむらんもうつけどひっともうつよ」 『4』からの再登場キャラの印象が強く、表の相棒メガネは『4』から引き続いだ山田で、彼女候補として島岡希美が整形して再登場する。 またイベントでのちょい役だが、『4』での彼女キャラ・天本が登場。希美に結婚の報告に来た他、山田との驚愕の関係を匂わせる。なお本作のプロフィールで天本は「引退」したと明言された。 裏サクセスのミニゲームはギャンブルと、メカ亀田戦・ガンダーロボVS南海のとしおくん戦。 ギャンブルはサイコロを3つ振り、出た目に応じた景品を貰える。 メカ亀田ととしおくん戦は条件を満たすと最後に行えるイベント。クリアすればBB団を壊滅させることが出来る上に経験点をもらっていける。 メカ亀田は『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』のボス・アグニムとの戦いをパク……オマージュしたゲームでメカ亀田の攻撃をくぐりながらバットで光球を跳ね返すゲーム。 ガンダーロボVS南海のとしおくん戦は、『がんばれゴエモンシリーズ』のゴエモンインパクト戦を彷彿させる。負けるとゲームオーバーなので無傷は難しいが、『12』ではとしおくんの死体を回収した遺伝子から作られたドラゴがパカーディをメロンパンにすべく襲い掛かってくる。正史である。 「俺のペナント」の期間短縮 まず「期間が1年」という点により、前作の3年間分のパワーアップは望めなくなった。 ただ、3年間もフルでやり続けるのはどうしてもダレてしまう感が否めず、妥当である意見が多い。 彼女候補 本作では好感度が高い状態でデートを終えた時に「pawa」という名前のホテルが背景で別れることが多い。相手が女子高生であってもホテルpawaへ向かう事がある。 「和桐沙耶」は和桐製作所の社長令嬢で女子高生だが父親との折り合いは悪い。仲間キャラとなる貴田をデートごっこで振り回していたりするが主人公には好感を持って接する。デートを繰り返すとホテルpawaへも行く。未来へ帰ると夜の女になる。 「蕪崎詩乃」は神社の巫女さん。彼女と本当の意味で打ち解けるには序盤に話しかけない事が必要。これは後の裏サクセスでも「ウタノが出たら話しかけない」という事がデフォルトになる。 「島岡希美」は『4』から引き続き登場するが整形手術をして痩せている。本作の野球超人伝保有者。 「菊池瞳」はスナックのママ。彼女も攻略しやすいキャラであり、表サクセスで安定して育成するための安牌という評もある。 「木岡鈴音」は敵チームのヤクザの娘。箱入り娘のお嬢様で大和撫子。彼女を遺して未来へ帰る時の「強い女だから忘れない、弱い女だから忘れられない」は名言。 ヤクザのお嬢である事を除けば普通の現代人なのだが、本人も知らないうちに巻き込まれてしまっている。 「秋本彩」は和桐製作所の事務員。眼鏡をつけているが外すと可愛らしい。 必須イベントのほぼ全てがランダムでエンディングまで持ち込むには多大な運が絡むうえにEDがバッド含めて4つある。パワポケ屈指の「ランダム女王」とも言われている。だが眼鏡を外すと可愛い。 裏サクセスの労働者は基本的には男性だらけなので攻略は存在しないが、所長の女軍人「ヘルガ」と交流を持つ事が出来るほか、リフレッシュルームの「メスヤギ・まさこ」を彼女にすることが出来る。 メスヤギはリフレッシュルームの中でも最も気力回復に使いやすく、使うと主人公がスッキリしたデレ表情で向き合う。もっともホテルpawa的なアレをメスヤギで晴らしているのだろうと推測される。 「ヘルガ」は人類の未来を憂う女軍人。労働者を見せしめに処刑するなど残酷な側面もあるが、彼女から本を借りて率直な感想を伝えることなどで内部で好感度が上がる。労働者のストレスを発散させる運動会の時にフォークダンスやキャンプファイヤーがあると思っていたなど可愛い側面もある。 + ヘルガの思想と顛末 また彼女からBB団の真相を聞いたうえでとしおくんルートに入った際に、「人類と世界には神秘が失われている」というヘルガの思想を主人公がタイムパトロールだからこそ真正面から否定するイベントは熱い。ある意味彼女イベントのラストなので、運が非常に絡むがぜひ見ておきたい。 イベントを進めるとしあわせ島壊滅後に主人公が面会にやってくる。その際、ファンタジー系の創作物で人が安易に蘇る話を嫌っている事などを話し、主人公は「彼女は最後まで軍人」である事を確信する。その後、魔女と呼ばれ処刑された模様。 悲劇的な側面も多い人物だが、後の作品でも裏サクセスとして登場。仲間想いな側面を持つことも度々あり、救われる結末も多い。 評価点 GBAパワポケの中では野球パートがほぼ完成されている。 実質アクション野球の最終作の『7』の野球バランスが残念過ぎるせいもあってか、本作を評価する声もある。それでも甘い所もあるが。 とはいえ、サブポジションの性能が相変わらず悪い。外野に至っては守備能力がメインポジのオールEの選手 サブポジのオールAの選手となっており悲惨。 ゲームバランスとしても表サクセスは和桐製作所を立て直す試合までは易しめだが、「裏野球大会」の完全クリアとなるとシリーズ屈指の高難度という幅広いバランス。とはいえ、実力を反映させやすいため、決して理不尽な難易度ではない。 ストーリーは面白愉快な仲間達のライトなノリと、表サクセスは「借金を巡るやくざとの交渉」、裏サクセスは「ドーピング麻薬での人体実験」「現地住民と借金した人間を労働させる非合法組織」などのダークさが織り交ざってパワポケ節を形成している。 敵も「和桐製作所が作ってしまうバッテリーで戦争の激化で破滅する未来を変えようとする時間犯罪者の科学者」「プロペラ団の裏切り者のまがい物として作られオリジナルへのコンプレックスを抱えて悪意を世界にばら撒くロボット」「人類の行き詰まりに悲観して罪を背負ってでも人類を前進させようとする軍人」など深みのある人物が多い。 表サクセスの背景がウインドウ部分以外の画面全体に描かれるようになり、分かりやすくなった。 『5』では裏サクセスのみの仕様だった。 やはりBGMの評価は高く、試合曲は表も裏も高評価を受けている。 前作までの「怪しい薬」が「幸せ草」に変更された。マニアポイントが上がる以外のマイナス要素が全て排除され、使用するとほぼ確実に病気が一つ治るなどかなり改良されている。 賛否両論点 本作で初登場したパワポケポイントの存在はシリーズ通しても賛否両論。 サクセスをクリアするたびにポイントが溜まり、サクセスの開始時にポイントを利用してアイテムなどを得られる。 育成するために前準備が必要な事と強い選手を作るために選手を作る本末転倒さが非難されている。 また本作ではパワポケポイントを大量に入手するには育てた選手をパワポケポイントに変換する必要がある。これをするとアルバムやプロフィールが登録されず面倒臭い。後期のシリーズでは裏サクセスの資金稼ぎで野球人形を作るなどの救済があるのだが…。 ただし、能力が低く特定のエンディングを迎えたわけでもない使い道のない選手を消滅させて、次回以降に生かすことが出来るという側面もある。 本作では「目的を終えて未来に帰るためにコールドスリープする事を決断する」という事でパワポケポイントを作れる。一部の彼女候補がBADENDになったりアルバム登録には心を鬼にする事も大事。 この「選手を使い潰してパワポケポイントを入手」というシステムは『11』まで続いた。 表サクセスでの選手育成が歴代でも厳しい。 これは平日と休日を行き来するシステムを含めても2年目の半分でシナリオが終わってしまうため、ターン数が少ない事も原因にある。 ニコニコ動画のTAP動画(クイックセーブを使ったプレイ動画)では、オールAを目指すために商店街のドラッグストアでしあわせ草を大量に買い込んでいる。裏を返せばそういうプレイでもないと表ではオールAはまず不可能。 もっとも、簡単に強い選手を作れると無個性になるため、限られた中でどう能力を上げるかを楽しむ余地はある。 裏サクセスでは強い選手が育てやすいが「プレイルーム」でのサイコロの目押しが出来るか否かで入手できる特殊能力が大幅に変わってしまう。 試合で特定操作を行う事で3盗、本盗を確実に成功させる裏技が存在する。かなりインチキな仕様であるが、表サクセスの裏野球大会優勝はこの裏技を使い熟さないと前述の通り厳しいものである。また、この裏技は『4』、『5』、『1・2』でも可能であり、『7』で削除された。 裏サクセスは試合・イベント共に運が絡む。 試合は最後まで主人公しか操作できない。だが仲間評価を上げきれば誰もが強くなるうえ、最後の「USスーパーヒーローズ」の試合前には選択肢次第でBB団に捨て駒扱いされたと勘違いした仲間達を煽って好調に出来るので表サクセスより倒しやすい。 イベントも仲間や村民・ヘルガとの交流が起きるかどうかは完全にランダムであり、発生しても最後まで進まない可能性もある。 裏を返せばイベントを起こすためにうろつき等をしなくても済むということなのだが、終盤のメカ亀田 としおくんルート分岐が起きるかどうかもランダムなため賛否両論。 表のミニゲームがおみくじとゴキブリとウンコ。 おみくじは普通だが、他二つは読んで字の通りである。やたらリアルなゴキブリ退治の縦STGと、うんこをよけながら走るミニゲームである。 直球すぎる下品さなので、笑って受け入れられるかは個人差が大きい。 ゲームの出来自体は良い。ゴキブリSTGは弾幕系を彷彿させるショットシステムで、うんこレースはサクセス中では経験点が良く手に入る。 ゴキブリは11裏サクセスなどで更にパワーアップする。パワポケスタッフはゴキブリのリアルさも追求し続けて行った。 サクセス開始時の設定で「投球オート」が登場 名前の通り守備時の投球の手動操作が一切できなくなる。 これだけなら選ぶメリットは無いと言えるのだが、実は初期のステータスにボーナスが付く設定であり、野手の場合は守備力が+1され投手の場合はコントロールが+20されるためバカにできない内容になっている。 だが、配球が自動化されてしまうデメリットに加え試合テンポの悪化にも繋がるためハイリスクな項目になっている。 されに今作は最終決戦のUSスーパーヒーローズ戦においては外に逃げるボール球を投げ続ける 一塁走者がいた場合はウエストをし続けるのがかなり有効な戦法になっているため、なおさらデメリットが大きくなる。 この「投球オート」は『8』まで存在したが、『9』では削除された。 問題点 「正史」ではゲーム中に取り得ない状況もあり得るという矛盾の免罪符の先駆けとなった。『5』ではモグラーズが日本一になる=現小杉が覚醒して主人公(元小杉)とライバルと認め合うという事だが、本作においては大神モグラーズが日本一になったにもかかわらず、小杉は覚醒せずに落ちぶれ塚本の裏切りにより遠い所(しあわせ島)へ送られるという展開になってしまっている。 もちろんこの塚本の裏切りというのも本編中に存在せず、三年目の試合に全敗すると小杉が落ちぶれ失踪することになるのだが、ラストで塚本は「惨めすぎて騙す気にもなれない。」と言い小杉に海外での仕事を紹介する終わり方になる。 主人公の本来の目的である「時間犯罪者の逮捕」がランダム。 とある人物を彼女にしてその言動の矛盾をつく事で、その彼女キャラの周辺に居るとある人物が犯人である事が発覚。確実に逮捕する事は出来る。 だがその人物を彼女にしない場合は、1・3でプロペラ団を追っていた「大谷記者」の協力を取り付ける必要があるが、彼と出会えるかはランダム。逮捕すると多量の経験点が得られるため育成にランダムが混じる。 アイテムのいくつかは長期間持っている(特にパワポケポイントで購入した場合)とマイナスのアイテムに変化してしまうイベントが発生することがある。 例えば野球道具アイテムの場合「青野」と無理やり交換されてしまい、さらに30%の確率で「歪んだバット」などと交換されてしまう(攻略本によれば、表向き反対の効果を持つアイテムを手渡されるのこと)。ただし、このイベント後に交換の取り消しを「青野」が要求するイベントが発生することもあるが…。 もう一つは「おまもり」を所持しているとある日「おまもり」が破れ中から「呪いの人形」が出現する。というイベントがあり「呪いの人形」とともに「エラー/負け運」を取得し「おまもり」が消滅するという最悪なものである。 攻略本によればこのイベントは「おまもり」を持っている状態だと「呪いの人形」を拾うイベントの代わりに発生するという。それでも「エラー/負け運」を100%取得するというのはやり過ぎである。 ただし入院中に智林五郎が見舞いに来て切れた時(昭雄が仲間になっていないか、ドリアンなどを見舞い品として持ってきてやる気を激減させてくるイベント2回起こした後)、「呪いの人形」以外のマイナスアイテムを持っていた場合プラス装備アイテムと一つ交換してくれる。 表サクセスでは仲間評価、パワーアップ、以外に仲間を強化できるイベントがあるが、そのやり方がかなり手間のかかる仕様になっている。 空き地に複数回うろついて後に、チームメイト達と練習をするイベントが発生するようになり「打撃力」、「守備力」、「投手力」がランダムで強化される。 だが、強化が発生する確率がそれぞれ10%を切っておりかなり低くなっている。強化内容もバカにならず、特に「打撃力」の場合は「全員のパワー+5or+10、仲間評価90以上でミート+1」、「投手力」の場合「全員のスタミナとコントロール+10、カーブとフォーク+1」と強化幅が大きい。 本作は前述の通り試合難易度が高いため、これらの強化が重要になってしまっている。 パワーアップを行うとメインポジションが変化する選手が数人いる。特に、該当選手の一人の「守田」はパワーアップ前では希少な正捕手であり、主人公のポジションやゆうまの加入状況次第では正捕手がいなくなってしまう。 サクセスの試合で選手の交代ができなくなった。 『5』と異なり『4』以前のような特定の試合状況から全選手を操作する仕様にもかかわらず選手の交代ができない。 しかも、代打で調子の悪い選手を出されたり、サブポジション起用をされたりとCPUの采配はお世辞にも良いとも言えない。 主人公を外野手にした場合、守田を仲間にするまで捕手起用されるような変なポジションを任される現象まで発生する。 CPU対戦でのCPUの謎の采配。 CPUと対戦すると、相手投手から点を取っただけでも一回でもCPUはすぐに投手を代える。その後の中継ぎ投手も、打たれたらすぐに代えてしまうため他の先発投手まで出てくるようになる始末である。 ちなみに、このおかしな症状は実質的な次作であるリメイクの『1・2』でも起こる。 また、プレイヤーが作ったサクセス選手のアレンジチームをCPUにして対戦すると、CPUは守備位置を試合中に変更する(*1)。プレイヤーからすればやり方にケチをつけられている気分である。 「俺のペナント」の天狗レベル 前作から導入された、サクセスで作った選手を一つの球団を選んでペナントレースを戦わせてさらにパワーアップさせるシステムなのだが、「期間は1年」「活躍すると上昇し、能力値などに悪影響を及ぼす天狗レベルの導入」などの大幅に変更された。 もっとも、やっかいなのが天狗レベルであり、上記のように活躍すると文字通り天狗の鼻のメーターが伸びるシステムである。 この天狗レベルは、野手なら天狗レベル分だけパワーが下がり、投手なら仲間評価分下がってしまう。 投手ならば、毎日試合に出るわけではないので低く抑えることができるが、野手で毎試合スタメンで出てる選手で、プレイヤーがそれなりに打つ技術を持っているとどう頑張っても最大値まで上がってしまう(*2)。 前述のように野手だと数値分だけパワーが下がってしまうため、ホームランが出にくくなってしまう。 一応、天狗レベルが高い状態で日本シリーズを制覇すると「威圧感」を取得できるが、いくらバランスを取るためとはいえそれにしてもマイナスの方が大き過ぎる。 本作から、ゲームを起動した際のメーカーロゴがセレクトボタンで飛ばせなくなった。 スタートボタンとセレクトボタン、AB同時押しで飛ばすことはできる。 総評 GBAパワポケの到達点でありながら、「タイムマシン」「しあわせ草」による専門用語の追加など転換期の一作。 それでも「なんでも野球で解決する」というノリはシリーズの中でも屈指であり、「野球してないはずなんだけど野球好きが頑張ってる」感は歴代でも高い。 結果的にパワポケシリーズで零細工場とはいえ一企業に就職した社会人が草野球をしているというシチュエーションは本作のみである。 次回作の野球パートが酷いこともあってか、GBAパワポケの最高傑作に上げる意見も多い。 余談 ほるひすはスタッフに気に入られたようで、後のシリーズのおみくじミニゲームでお役立ちアイテムとしてたびたび登場。『14』では和桐製作所に入社して巫女のバイトをしていた浅井レンがおみくじを「自社の新商品」と呼んでる事から和桐製作所で作っていたかもしれない。 ちなみに、彼は色物な見た目とは裏腹にそれなりに優秀な社員である。 『実況パワフルプロ野球2012』のおまけソーシャルゲーム『パワスタ』では、パワポケからのゲスト参戦キャラとして凡田・大神・荒井三兄弟・アルベルト・アンヌに並んでほるひすが登場。未だに愛されている模様。 そして1年後の『実況パワフルプロ野球2013』ではまさかのデッキキャラとして登場。キャラが3D化した本作で唯一2Dの平べったいグラフィックで当時の姿のまま登場するので違和感どころか狂気を感じるかも。流石に3D化できなかった為か選手としては使えずイベント限定キャラとなっている。 同一年にパワポケの新規ナンバリングが出たのは『5』『6』の2003年のみである。よって収録選手的にはいわゆる「開幕版・決定版」に近いポジションにもなっている。本作以降はパワポケ新作の発売月は12月というのが定番となった。 本作をベースとして『1』と『2』をリメイクした『1・2』が次回作である。 ナンバリングの『7』は次々回作である。 後の作品に与えた影響 本作に登場した和桐製作所は、しあわせ島から帰ってきた主人公によって落田を伴って復興している。その後『8』では『3』の彼女候補・寺岡薫が入社しておりワギリバッテリーを開発した事が語られ、その後にテロで死亡している。『12』の彼女候補の浅井レンは薫を尊敬しており和桐製作所に入社したが『14』では山田によって経営は上手く行っていない事が語られている。 後のシリーズでも生き残ってはいるものの、波乱の運命に巻き込まれた街工場であるといえよう。 ストーリー的に今後のパワポケに深く関わるアイテムの誕生に関わっており、賛否が分かれる。 + 以下、パワポケ世界を混乱に陥れた二大アイテム 本作で名前だけが登場した「ワギリバッテリー」と、ドーピング麻薬として登場した「しあわせ草」である。 この2つのアイテムが今後のパワポケに深く関わり、また客観的に見ても多くの人々の人生を滅茶苦茶にした存在である事から賛否が分かれる。 特に『10』『11』では両アイテムが最悪の形で使われており、以降のシナリオを硬直化した批判する人も少なくない。 ワギリバッテリーは本作の段階では製造されていないが、『8』で和桐製作所に入社したとある人物が開発し、それが戦闘用サイボーグに転用されとある2大企業の大戦争を引き起こすきっかけとなる。 和桐社長及びワギリバッテリーの開発者である人物は、当初はおもちゃの電池として作ったつもりであり戦争の道具に転用されてしまった事に対して罪悪感を抱いている姿が後のシリーズで描かれ、結果的に不幸になってしまった事を示唆している。それもある種のパワポケらしい「毒」なのかもしれないが。 本作の主人公は和桐製作所で数年後にワギリバッテリーが作られる事を把握しており、とある彼女ルートで時空犯罪者を追い詰めるためにも「バッテリー」の存在が関わってくる。 なお大谷記者と協力して捕まえるルートでは犯人はシルエットのみで襲いかかってくるため正体はわからない。だがこの時に残す「お前は間違っている」「あんな未来認めるものか」という彼の捨て台詞は主人公が本来の歴史と信じる「バッテリーが開発される未来」がすでに改変された歴史であることを示唆しており、後のシリーズで共感できるモノとして伏線回収される事となる。 また正史ではこの犯人は捕まっていない。だがワギリバッテリーの開発と流通は成し遂げられてしまい、犯人もまた目的を見失ったまま未来にも帰れず世界の混乱を見つめていることが『11』『13』で判明する。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/4424.html
Knight Baby 【ないと あんど べいびー】 ジャンル ロールプレイング 対応機種 プレイステーション 発売・開発元 タムソフト 発売日 1998年9月23日 定価 5,800円(税抜) 配信 ゲームアーカイブス2009年2月25日/600円(税5%込) レーティング CERO A(全年齢対象) ※ゲームアーカイブスで付加 判定 なし ポイント オーソドックスな剣と魔法のRPG言うことを聞かないベイビー魔法の代わりにおもちゃで戦え!聖武具? いえ、知らない子ですね 概要 ストーリー システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 『闘神伝』シリーズやSIMPLEシリーズなどを手掛け、現在でも『ドリームクラブ』シリーズ、『閃乱カグラ』シリーズなどの開発で活躍するタムソフト初の自社パブリッシング作品(*1)。 ファンタジックな世界で繰り広げられる、いわゆる「剣と魔法」のRPGである。 ストーリー この物語は、君たちのおじいさんのおじいさんの、 そのまたおじいさんが生まれるよりもずっとずっと昔の、 お月様がまだ2つあった頃のお話---- 山奥の田舎村、オラガ。そこには少年・ナイトと妖精の少女・ニーニーナが暮らしていた。 ある日、ナイトたちは隣の村へのお使いを村長から命じられる。 そしてそのお使いの帰り道、2人は突如現れた、光に包まれた謎の人物に遭遇する。 「運命に見初められし者よ お前に託す」「無垢にして幼き この子を託す」「母の元へ届けよ 『神の塔』に眠る母の元へ届けよ」「大いなる悪意の 目覚める前に」 謎の人物はそう言って、2人に怪物の子供「ベイビー」を託す。これにより、平凡な毎日を送っていたナイトの人生は急転することになる。 ベイビーと出会ったことで始まる、ベイビーの母親を探す長い冒険。果たしてこの冒険の果てに、2人と1匹に訪れる結末とは…? システム 基本的にはシステムに特筆すべき、変わった点は少ない。良くも悪くも定番のベーシックな作りである。 冒険 冒険の当初の目的は「ベイビーを神の塔へと送り届けること」ではあるが、プレイヤーにはある程度寄り道の自由が許されている。特に中盤で「アメンボのふえ」を手に入れた後は海を渡れるようになるため、メインのストーリーを無視してまだ見ぬ新天地・ダンジョンを求めてさすらう…といったプレイも可能。 エンカウントはシンボルエンカウント式。自分よりレベルが高い敵はこちらを追うように動き、自分よりレベルが低い敵はこちらから逃げ出すように動く。 戦闘 戦闘はターン制。素早い順から行動可能。 プレイヤーのパーティはずっとナイト ベイビーの二人組であり、パーティ入れ替えなどのイベントはない。 マニュアル操作できるのは主人公のナイトだけで、ベイビーは常にオートで行動する。攻撃・防御とアイテム・リビングトイズ(後述)の使用、ベイビーへの指示の変更、逃走ができる。 必殺技や魔法に相当するコマンドはなく、実質的にはリビングトイズが魔法や特技のようなものである。 ナイトのHPがなくなるとゲームオーバー。ベイビーはHPがゼロになると「気絶」するが、戦闘終了後にHP1で蘇生する。 ランダムでニーニーナが戦闘に参加してくれることがある。ニーニーナは単体に極小のダメージを与える「だいきらいビンタ」か味方全体を小回復しつつ状態異常を回復する「がんばってエール」で援護してくれる。 ベイビー 序盤でナイトの仲間となるベイビー。ベイビーには道中で様々な行動をさせたり、おやつを与えて能力を強化できる。 ベイビーにはナイトへの好感度(*2)が設定されており、ベイビーに対する行動で増減する。基本的には「おつかいに出した時にほめてあげる」「おやつを与える」ことで上昇し、「おつかいに出した時に叱る」「ベイビーが戦闘中気絶する」「ベイビーの嫌いなおやつを与える」ことで下降する。 好感度が上昇すると戦闘時に賢い行動を取るようになるほか、戦闘中に指示できる行動が増える。逆に好感度が下がると指示を聞かなくなったり、ナイトを逆に攻撃する。 ベイビーは街・ダンジョン以外のフィールド上にいる時「おつかい」に出せる。ベイビーはおつかいに出てくるとランダムでアイテムを拾ってくる。この結果に応じてプレイヤーは「ほめる」「叱る」「なにもしない」という3つの反応を返すことができる。 ベイビーはレベルアップによる成長以外にも、手持ちのアイテムをおやつとして与えることでパラメーターを強化できる。回復アイテム以外にも武器・防具・指輪(アクセサリ)を食べさせることができ、回復アイテムを与えればHPが、武器を与えれば攻撃力が、防具を与えれば防御力が強化される。 ベイビーは物語終盤、ナイトを乗せてフィールド上を飛行できるようになる。飛行中は山岳や崖、川や海などの地形を無視できる。 先述したようにベイビーは、戦闘中完全なオートで行動する。だがナイトはベイビーに4つの指示を与えることができ、「がんばれ(攻撃行動だけを取る)」「ムリするな(攻撃しつつ、防御や回復を行うようになる)」「たすけて(積極的に回復する)」「にげるんだ(ベイビーだけを逃走させる)」という指示で行動の指針を決められる。 ベイビーは特定の敵と戦闘すると、その姿をコピーする「へんしん」を覚えることがある。「へんしん」は戦闘中ベイビーの意思で発動することがあるほか、好感度がある程度上がっていればナイトがどの敵に変身するかも含めて指示できる。 リビングトイズ 本作における魔法・特技に相当する「生きたおもちゃ」。通常のRPGにおけるMPに相当するPPを消費して使用する。 リビングトイズ(以下LT)は序盤で使えるようになり、おもちゃによって様々な効果を発揮する。場に出て共に戦ってくれる「固定タイプ」、一度効果を発揮すると消えてしまうが戦闘中何度でも再使用できる「リターンタイプ」、一度使用すると戦闘中二度と使用できない「使いきりタイプ」の三種が存在する。 LTは収集要素も兼ねており、フィールド上に落ちていたり、イベントで入手したりと様々なところで入手できる。全てのLTを集めると…? 評価点 とっつきやすい王道の楽しさ 前述の通り本作は非常にオーソドックスな内容であり、「人を選ぶゲームシステム」や「攻略に必須の難しいテクニック」などは存在しない。そのため、ゲーム初心者でもすんなりゲームに入っていける。 難易度も高いわけではなく、強敵にもきっちりと対策し、レベルを上げて挑めばちゃんと勝てるようになっている。低レベルクリアに拘るなどの理由がなければ、俗に言う「詰み」に陥る状況は全くない。 後述するが、ゲームが進行しLTが充実するに従って難易度は下がっていき、一部のボスを除けば負ける要素はかなり少なくなる。 個性的なリビングトイズ 普通のRPGにおける魔法に相当するLTだが、その効果は千差万別。さらに70種類と非常に多く、収集の喜びをプレイヤーに与えてくれる。 「各属性のダメージを与える」「体力回復」など普通の効果もあれば、「戦闘中実況をしてくれる」「敵味方全員に状態異常」「ランダムで効果発動」「PPを消費してPP量に応じたダメージ」など個性的な効果も。 全てのLTを集めた後、ある条件を満たすと入手できる「F・ファイナライザー」の演出は非常に凝っており、見応えがある。「全てのLTを集める」という入手条件にふさわしい豪華な演出であり、厳しい道程に見合った感動を与えてくれるはず。 ニーニーナ ナイトが言葉を発しない自己投影タイプの主人公なので旅の仲間であるニーニーナが会話を進めてくれるのだが、ニーニーナのキャラはなかなか個性的で面白い。 様々なものや場所を調べるとニーニーナがコメントをくれるのだが、そのコメントには秀逸なものも。この手のRPG定番の「人の家を勝手に漁る行為」を咎めてくれるのはニーニーナくらいのものだろう。 とにかく様々なもの・場所に小ネタが仕込まれており、何気ないものを調べるのが楽しくなってくる。他のRPG以上に様々な場所を調べたくなるはずである。 秀逸なBGM 『闘神伝3』『闘神伝 昴』などのBGMを務めた梅垣ルナ氏のBGMはどれも秀逸であり、ほんわかとしたナイト ベイビーの作風にマッチしている。 ボス戦やジザン戦など熱い場面のBGMもきっちり押さえている。特にオープニングテーマは多くのプレイヤーから「名曲」と評される。 賛否両論点 何度も述べたように本作はオーソドックスな作りである。手堅い反面目新しいシステムはあまりないため、RPGをやりこんだプレイヤーからは「没個性」と言われることもあった。 LTやベイビーなど本作だけが持ちうる要素もあるが、数えきれないほどの作品が揃ったRPG業界の中でひときわ個性を放つシステムとは言い難い。ゲームシステムという面だけを見れば、本作より奥深く、面白いシステムのRPGはそれこそ山のようにある。 問題点 リビングトイズ LTは収集要素も兼ねているのだが、一部の入手方法が鬼畜。 多くのLTはダンジョンを入念に調べ、各地を回ってイベントをきっちり起こせば入手できる。だが後半に入手できるLTほど入手条件がわかりにくく、気付きにくいものになっていく。 厄介なのが「特定のイベントを起こした後に入手フラグが立つLT」。特にストーリー進行のために一度通過した後はほとんど立ち寄る必要のない辺鄙な場所に置かれているLTが曲者で、中でも宿屋ウズマキにある「ウズウズ」、オゴロトンネルにある「ギガント」は非常に見逃しやすく、攻略情報が充実するまでは「LTがコンプリートできない」と嘆くプレイヤーも多かった。特にギガントは「全ての聖武具を集めた後」という終盤の状況がフラグになっているため、入手時期を逃したままクリアしてしまう可能性が高い。 問題はLTのコンプリートが、作中屈指の強力なLT「レジェンド」の入手条件になっていること。別にレジェンドを使わずともクリアできるバランスになっているのだが、あれば攻略はぐっと楽になるのでレジェンドを求めるプレイヤーは多かった。 さらにレジェンド入手後に手に入る「F・ファイナライザー」の入手条件は「レジェンドを含む全てのLTをコンプリートした後、オラガの自宅で眠ること」。わかるか! ベイビー はっきり言ってしまうと弱い。ステータスが低く、特に序盤はよく死ぬので好感度も上げづらい。 アイテムを与え続ければ一応強くはなっていくのだが、型落ちの武器・防具やダブった回復アイテムを食べさせる程度ではほとんど強化を実感できない。積極的におつかいに行かせてアイテムを集め、ガンガン貢いでいくぐらいでないと目に見えて強くなってくれない。 オート行動もゲームの宿命とはいえあてにならない。特に「ムリするな」では、攻撃してほしい時に攻撃してくれなかったり、回復してほしい時に防御したりと思い通りに動いてくれないことが多い。 また、ベイビーには一切装備品を装備させられないため状態異常耐性を付与できない(*3)。そのため状態異常つきの全体攻撃を食らうとベイビーだけが状態異常を受けてしまい、ナイトの足を引っ張ってしまう。 肝心の変身も、自分の意志では殆ど使わない上、自分の意志で変身する際どの敵になるかはランダム。戦術に変身を組み込みたければアイテムを貢いで好感度を上げ、「へんしん」の指示を解禁しておく必要がある。 ランダム変身の場合、序盤の雑魚敵「ニョウン」などに変身してしまうこともある。そうなると目も当てられない。 変身攻撃は通常時のベイビーとは比べ物にならない攻撃力であり、強力な全体攻撃が使える「イブキ」や「ボーボーどり」など有用な変身は非常に強力。 難易度 基本的に序盤は厳しく、後半になるほどヌルくなっていく。 序盤はベイビーも弱く、LTも揃わず、加えて敵から得られる経験値が少ないためレベル上げだけで苦しい。だが中盤以降LTが揃ってくるとだんだん「強力なLTによるゴリ押し」が通用するようになっていく上、敵から得られる経験値も爆発的に増えていくので一気に難易度が下落する。 ヌルくなる最大の原因はLTにあると言っても過言ではない。主な原因は防御を行うLT「アルマルス」「タフウォール」及び、攻撃タイプのLT。 アルマルスは「3ターンの間互いに与えられるダメージをゼロにする」という効果であり、この効果が続いている間に場にLTを並べればかなり有利な状況で戦闘をスタートさせられる。それ以外にも「ピンチの時にアルマルスを使い、体力・PPを回復して持ち直す」など様々な用途で使え、消費PPも少ない。 タフウォールは「耐久力の続く限り、ナイトかベイビーどちらかに行われた攻撃を受け止める」という効果。防御能力も強力だがタフウォールが攻撃を受ける限り状態異常も無効化されるので、これ一体でダメージを食い止め、状態異常も予防できる。 さらにLT無双に拍車をかけるのが固定タイプで攻撃を行うLT。攻撃系のLTは消費PPが少ない上に攻撃力が高く、ダメージが何故か非常にばらつく以外は支払ったPP以上の働きをしてくれる。 ある程度ばらつくと言っても平均してナイトの通常攻撃程度のダメージを出してくれる上、最大で通常攻撃の1.5倍程度のダメージを叩き出す。これを破壊されない限り毎ターン行ってくれるので、1体出しておくだけで戦闘を優位に進められる。 なので、中盤~終盤は「初手でアルマルスを出す」→「アルマルスが耐えてくれる間にタフウォールと攻撃系LTを出す」→「タフウォールが耐えてくれている間にLT・ベイビーとともに敵を攻撃する」という戦術がほぼすべての敵に通用する。 終盤に手に入る固定・攻撃型LT「バルキリー」「レジェンド」を手に入れてしまえばもう敵はいないも同然。ラスボス・ジザンでさえこのパターンで余裕を持って倒せる。 敵も敵でそのほとんどが力任せであり、複雑・個性的な攻撃パターンを持つ敵は殆ど存在しない。 中盤以降の敵の攻撃パターンはボスも含めて「威力が高い or 厄介な状態異常つきの全体攻撃でゴリ押し」というのがほとんど。それ以外を使う敵はせいぜい一定確率で自身を増殖させてくるキラーザクロくらいで、バフ・デバフ系の攻撃を使う敵もいない。 + 最終盤のネタバレ注意 この単純な行動パターンは最終盤の強敵であるアシェンやジザンにも当てはまる。なので、特に対策を用意せずとも今まで通りの「アルマルス→タフウォール戦法」で対処可能。 ジザン戦は3連戦なのだが、どの形態でもやってくることはほとんど同じ、全体攻撃によるゴリ押しである。第二形態はこちらのHPを吸い取る「きゅうけつ」を行ってくるが、個性的なのはそれぐらい。 第三形態に至っては全体攻撃技「ぞうおのといき」を連発するだけという、個性もへったくれもない単細胞。しかも一定確率でぞうおのといきは失敗する。 だがこれはニーニーナがソロモンリングの力でジザンを弱体化させたためであり、「第三形態が弱いのは演出の一環で、実質的にはイベント・消化試合」という意見もある。 聖武具関連の問題 終盤、本作のラスボスであるジザンを倒すためのキーアイテムとして「聖武具」を集めることになる。聖武具はかつてジザンを封印した勇者アシェンの装備していた武具であり、これだけ聞くと非常に強そうなのだが…。 なんとその強さはダンジョンに落ちている武器に劣る強さであり、設定に反して最強装備ではない。ジザン復活前に入れる「神の塔」で拾える武器・防具のほうがよっぽど強い有り様。かなり設定負けしている。 聖武具収集の過程で入るダンジョンでは更に強い武器・防具が手に入る。アシェン涙目である。 問題は最終決戦では強制的に聖武具を装備させられてしまうこと。聖武具を装備すると戦闘中のグラフィックや攻撃モーションも変化して非常にカッコイイ…のだが、プレイヤーの心境としては「そんな見掛け倒しの聖武具より最強装備を使わせろ」というのが正直なところだろう。 さらに、最終決戦前に聖武具以外の武器を装備していると聖武具に上書きされてそれまでの装備が消える。「ゼペットのかぶと」などの貴重な最強装備が警告なしに失われてしまうのである。 聖武具装備イベントは終盤も終盤でその後に待っているのは対アシェン・対ジザンの戦いのみであり、そういう意味では被害は少ないと言えるが、事前の警告なしにお気に入りの装備が失われるのは問題だろう。 淡白なストーリー ストーリーは押さえるべきところは押さえているものの、全体的に淡白であり高い評価とは言い難い。 全体的に主人公周辺以外の人物描写が薄く、特に敵や、主人公とライバル関係にあるカシナート一行はぽっと出の印象が強い。本作の黒幕であるカーマインに関しても、重要である「何故ジザンを復活させようと企むのか」「何故仲間であったダークビートと袂を分かったのか」という部分がすっぽり抜け落ちているため、感情移入以前にどういう人物なのかが理解できない。 他にも重要な位置で登場しておきながら、登場イベント後はさっぱり触れられないピカードの民や、「ピカードの民から聖武具を預かった」という重要な人物ながらわずか数行の台詞しかなく存在感皆無の森の者、人間サイドの人物でありながらカーマインに忠誠を誓っているが、その背景に何があったのかはまったく語られないギルなど、描写不足の人物が多い。 ただ先述した通り主人公周辺の人物は割と深く描写されており、特にニーニーナ関連のイベントの評価は高い。 + 最終盤のネタバレ注意 ニーニーナはジザンとの戦いの中、ソロモンリングの力を使い消滅してしまうのだが、エンディング後のムービーではなぜか妖精から人間へと変化し、ナイトとともに暮らしている。何故。 不親切なニーニーナ 基本的に「次に何をすべきか」ということは□ボタンで「ニーニーナのナイトへの助言」という形で教えてもらえるのだが、ニーニーナはプレイヤーが知らない情報を出してくるため、的確なアドバイスになっているとは言い難い。 「次の街(ダンジョン)に行きましょう」というアドバイスを貰っても、その新しい街やダンジョンの位置をプレイヤーは知らないのでどうすればいいかがわからない。フィールドも道こそあるが広大であり、次の目的地を探して迷ってしまうことも多い。これを「探検の楽しみ」と取るか、「行く先を知りたいのに地名しか教えてくれない不親切ゲー」と取るかで評価は変わるだろう。 序盤は道なりに進んでいけばストーリーは進行するので問題はないが、問題はプレイヤーが海を越える必要があるカゾン及びトリスキン。カゾンはアメンボのふえが入手できるカポルのすぐ近くにあるので「とりあえず手近な陸地に上陸したらストーリーが進んだ」というプレイヤーも多かったが、トリスキンへの行き方はほぼノーヒント。トリスキンを探して更に北にあるマーヤック方面やペンゴに行ってしまい、適正レベル以上の敵に遭遇してしまったプレイヤーは少なくないはずである。 「世界地図を見ろよ」と思うかもしれないが、本作の世界地図(*4)はポンコツであり、ズームや地名表示の機能がない。なので次の行き先を定める指標にしにくいのである。 だが、この問題は全て解説書を見れば解決できる。 解説書には丁寧に各街やダンジョンに印のついた世界地図が載っており、はっきり言ってこれさえあればゲーム中の世界地図は必要ない。 逆に言えば、解説書のない中古品を買ってしまったプレイヤーはノーヒントの状況でカゾンやトリスキンを探すしかない。(*5) UI関連 移動、カメラ回転など全体的に挙動が重い。特に、近年の快適なゲームに慣れていると地味にストレスがたまる。 重さが辛いのがベイビーの飛行。通常の移動やアメンボと違い×ボタンによる加速が不可能な上動きが遅く、遠方の目的地に行くのはかなりじれったい。 それを見越してか、ジザン復活後は世界各地に設置されたショートカット「次元門」が使えるのだが、次元門も微妙に不便な位置にあり、行きたい場所に行くのには結構苦労する。 また、ベイビーは町の中に降りられない。このため飛行で町に到達しても、わざわざ街の入口付近まで移動してから降りなければならない。逆に町の中から飛び立つことはできるのだが…。 アメンボを使うためには水辺でいちいちメニューを開いてアメンボのふえを使う必要があり、しかも使うと「ナイトたちが所定の位置に移動する」→「ゆっくり画面外からアメンボがやってくる」というスキップ不能な動作が挟まれる。 同様に、次元門を使うにはその都度次元門の扉の前でメニューを開き「じげんもんのカギ」を使わなければならない。 アイテムがまとめ買いできず、どのような効果を持つかが曖昧にしか表示されない。特に回復アイテムは「どれだけ回復するか」がわからず、値段から見て効果のほどを判断するしかない。 その他 状態異常が強く、終盤では下手な雑魚の攻撃より状態異常のほうが厄介になる。 体力のほぼ1/10を毎ターン奪っていく毒、完全に行動不能となりベイビーへの指示も出せない麻痺、行動不能になる上ランダムでアイテムを敵味方の区別なく使ってしまう混乱、無敵になるが行動不能に加えて毎ターンダメージを受け、炎属性の攻撃を受けない限り解除されない氷など、全体的に状態異常が強力。 もちろんこちらも状態異常技が使えるので、うまく使えれば有利に戦いを進められる。 終盤になると、敵の経験値がインフレしだす。 各聖武具を守護する中ボス「まもるもの」とほぼ同等の経験値を持つ雑魚が終盤のダンジョンには大量発生するため、レベルアップが非常に簡単になる。 2~3体の敵とエンカウントした状況で経験値を増やす(*6)効果を持つLT「チルチルミチル」を使えば万単位の経験値がドバドバ入る。このため、終盤のダンジョンでチルチルミチルによる経験値稼ぎを行うと、容易にゲームバランスを崩せる。 ボリュームはいささか薄味。ストーリー自体は長いが、「クリア後に挑める裏ダンジョン」「二周目」などの要素が無いため、クリアしてしまえば後はやることがない。 総評 良くも悪くも「王道・直球のファンタジーRPG」である。 目新しいシステムや驚天動地のストーリーなど派手に目を引く要素は少ないものの作りは手堅く、そのシンプルさ故にゲーム初心者からやりこみ上等のゲーマーまで広く楽しめる。 やや作りこみの足りない部分もあるものの、致命的な欠点はないため、ゴチャゴチャしたシステムの最近のゲームに疲れた時や、純粋な王道を楽しみたい時には手に取ってみるのもいいかもしれない。 ナイトたちの冒険は、貴方を熱くさせてくれるはずである。 余談 CMに篠原ともえを起用したり、ベイビーのきぐるみを作ってTV番組に出演させるなどタムソフトは本作の宣伝に力を入れていた。 自社ブランドを定着させる狙いがあったのかもしれないが、結局タムソフトブランドは本作ひとつで終了してしまっている。(*7) 海外においても「Guardian s Crusade」のタイトルで発売されている。大きな変更点として、一部のBGMが変わっている。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/2472.html
RAMBO 【らんぼー】 ジャンル ガンシューティング 対応機種 アーケード(LINDBERGH) 発売・開発元 セガ 発売日 2008年 判定 ゲームバランスが不安定 ポイント 要暗記、なぜか異常に難しい1面ボス 概要 評価点 問題点 総評 概要 本作は、世界的ヒットを記録したシルベスター・スタローン主演の映画『ランボー 怒りの脱出』『ランボー3 怒りのアフガン』(*1)をモチーフとしたガンシューティングゲームである。全5面。 モニターには62インチ型が、コントローラーには、同社『THE HOUSE OF THE DEAD 4』で使用されたサブマシンガン型コントローラーを採用。トリガーは引きっぱなしで弾が自動的に連射され、リロードは銃口を画面外に向けて行う。 今作を象徴するシステムとして、 「怒りゲージ」 が存在する。 「怒りゲージ」は画面左下にあり、敵を素早く倒したり、ダメージを受けると溜まっていく。ダメージ喰らって溜まるゲージな上に名前も同じ怒りゲージ、まるで対戦格闘ゲーム『サムライスピリッツ』シリーズみたいな 銃口左のボタンを押すと怒りが解放され、ゲージがある間、銃の連射速度と威力が上がる。また、ゲージがフルの状態で怒りを解放すると、いかなる攻撃も受け付けず、弾も自動的にリロードとなる効果が追加される「無敵のランボー」となる。 評価点 映画をモチーフにしただけあって、ゲーム中には映画の名シーンを再現した場面が沢山出てくる。 ボンバーアローで武装ヘリを一撃で撃ち落とす、武装ヘリで敵の基地を木端微塵にするシーンは多くの人の記憶に新しいだろう。 ステージ間には映画からの実写取り込みがそのまま使われており、ステージ中の美麗なCGとあいまって、次々と現れる敵兵をマシンガンで倒していくランボーの感覚が味わえる。 問題点 敵の攻撃でロケットランチャー等の重火器を喰らったり、4面ボスの戦車に踏み潰されると 1撃でライフが2減る。 「ガンシューティングでどんな攻撃も一律でライフが1減るだけなのはおかしい」 という発想に基づいての仕様だが、それにしてもあまりにプレイヤーに厳しい。ライフが2回復するアイテムもあるが、正直焼け石に水。 何故か敵の弱点は同社の『HODシリーズ』などみたいに頭でなく、手に持っている武器。 そこに気づかないと後半面は敵を捌ききれないかもしれない(*2)。 全体的な難易度はガンシューティングゲームの中ではかなり簡単な方だが、何故か 1面ボスが2、3面のどの場面よりも難しくなっており、初見プレイヤーをよく葬り去っていた。 1面ボスの武装ヘリとの戦いは1面とは思えないほどシビアな局面が多い。 この戦いでは機関砲を撃たれる前に破壊する、転がってくる岩に当たる前に岩を破壊する、ヘリコプターからのロープにぶらさがって狙撃してくる敵兵を倒す、の3つの場面に大別されるが、いずれも制限時間がかなり短い。 怒りを使用するにしても、(タイミングにもよるが)1.2シーン通して使えるかどうかの時間なので、万が一の凌ぎ用にも使いづらいのもネック。 2面のボス戦でもボートの機関砲を破壊する場面が「怒り」状態で撃ち込まないとまず破壊できずダメージを受けるが、こちらは怒りを使用するタイミングを把握することで対処できるのが救い。 QTEが要所要所で発生するのだが、そのQTEが失敗=ダメージの割合が何かと多い。 2面の最後では投下される爆弾から走って逃げるシーンがあるが、スタートボタンを猛連打しなければならない。時間が非常に短く、本当に猛連打が必要。失敗すると勿論ダメージを受ける。 この直後にもう一度連打シーンがあるのだが、そちらは打って変わって非常に簡単。 調整をあまりしていないのだろうか。 また、ターゲットが出現し、1発で撃たないと失敗となりダメージを受けるシーンも多い。そのターゲットも出現している時間が短く、モタモタしているとあっという間に時間切れとなってしまう。 チャプターがなぜか映画の時系列通りではなく、1、4、5が『怒りのアフガン』2、3が回想扱いで『怒りの脱出』となっており、映画を観た人からすると違和感のある順番となっている。 しかも、チャプター4は敵の基地からトラウトマン大佐を助ける展開となっているのでこれも実質回想。上記の難易度の問題も考えるとなぜこの順番にしたか余計に疑問を感じるであろう。 総評 『ランボー』の世界を追体験できるステージ進行、同作の重要なキーワード「怒り」をうまくシステムに取り入れた事は評価できる。 事実、ゲーム中の演出はまさに映画ランボーのそれであり、雰囲気作りへの気合の入り方が窺える。 しかし、1面ボスの明らかに場違いな強さや何かとダメージがかさみやすい道中などから初心者の参入を狭めてしまった。 ゲーム自体の難易度はそこまで高くはないものの、所謂「覚えゲー」の印象を強く見せている点は気になるところ。(*3) とはいえ何度も言うようにランボーという作品をガンシューティングで追体験できるという魅力はあるので、見かけたら1コインと共に怒りを開放するのもいいだろう。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/2075.html
SIMPLE DSシリーズ Vol.34 THE 歯医者さん 【しんぷるでぃーえすしりーず ぼりゅーむさんじゅうよん ざ はいしゃさん】 ジャンル 歯科医体感シミュレーター 対応機種 ニンテンドーDS メディア 256MbitDSカード 発売元 D3パブリッシャー 開発元 タムソフト 発売日 2008年3月13日 定価 2,800円(税別) 判定 なし ポイント 操作性も実用性もそれなりに良し多彩な患者との触れ合い要素やれることが増えないのが唯一最大の欠点 SIMPLE DSシリーズ 概要 ゲーム内容 評価点 問題点 総評 概要 歯医者さん(歯科医)の業務と医院の経営を体験できるシミュレーションゲーム(治療パートはアクション)。低価格ソフトシリーズ『SIMPLE DSシリーズ』のVol.34である。 プレイヤーは新しく開業した「たけのこ歯科クリニック」の院長となって、様々な患者を治療するとともに経営を軌道に乗せていくことが目的。 ゲーム内容 歯科医院を院長として経営する。 医院の資金は100万円から出発。売り上げ総額3000万円を達成したところで、恩師から借りた開業資金を全額返済してエンディングとなる。特に期限などはない。 エンディング後もプレイを継続可能。その気になれば億単位の資金を集めることも可能である。 ゲームは1日単位で進行する。1日が始まると、まず経営状態の確認や経営への投資が行える「経営パート」が始まる。 投資としては医院内施設の改善、スタッフの雇用、医院の宣伝、市への寄付といったものがある。投資によって来客数や満足度が改善する。 特にスタッフの雇用や施設改善については、使える道具などが増えて患者の治療が楽になる副次効果もある。 特定のスタッフを雇用すると、治療をスタッフに任せて自分がやらずに済ませてしまうことも可能。ただし評価は入らない。 経営パートが終わったら、いよいよその日の患者数人と順番に対面する。「問診パート」では、患者と会話して治療内容を判断する。 その後は基本的に次の「治療パート」に移行するが、それ以外のミニイベントが起きる場合もある。 そして肝心の「治療パート」。患者によって、様々な治療ができる。全8種類。 レジン充填……初期の虫歯に対する治療。虫歯の部分を削り、削った部分に「コンポジットレジン」という歯科用プラスチックを充填する。 インレー治療……進んだ虫歯に対する治療。レジン充填より大きく虫歯を削り、削った部分に「インレー」(いわゆる銀歯など)をはめ込む。 クラウン治療(1)……さらに進んだ虫歯に対する治療。まず準備段階として、歯を大きく削った後歯の神経(歯髄)を除去する。 クラウン治療(2)……後日行う(1)の続き。歯を削って支台を作った後、そこにクラウン(かぶせ物)をはめ込む。 抜歯治療……末期の虫歯に対する治療。どうにもならなくなってしまった虫歯を鉗子(かんし)で挟んで引っこ抜く。 インプラント治療……欠損歯を補填する治療。ノミで歯茎の穴の底を削った場所にフィクスチャーを固定し、そこに義歯を埋め込む。 歯周病治療……歯周病患者に対する治療。「スケーラー」と呼ばれる器具を用いて歯石を除去する。手用スケーラーと超音波スケーラーがある。 歯みがき指導……特に歯に問題のない患者に対する指導。歯垢を染め出す染料を歯磨きできれいに落とした後、フッ素を歯にまんべんなく塗る。 治療パートは患者ごとにS(最高)~E(最低)の6段階で判定される。それを元に、患者からの評価が3段階で決まる。 治療手順を間違える、患者の痛みが一定値以上になるなどが起きた場合は確実にE判定。 基本的にはこの繰り返しだが、日によって2種類の臨時イベントが入る場合がある。 ひとつ目は、5日に1度ある「セミナー」。 これは、歯に関する知識クイズ。10問出題され、そのうちの正解数で成績が決まる。問題形式は○×問題または数択問題。 もうひとつは、20日に1度ある「学校健診」。 内容は、3Dビューで表示される10人の子供の歯を順番に虫歯があるかどうか確認するというもの。 歯には4段階の虫歯になった歯が混ざっていることがあるので、見つけたらチェックして「C1」~「C4」で虫歯の進行度を判断。 見逃しなく全ての虫歯を確認し終えたと思ったら次の子に順番を回す。最終的に、完璧に虫歯をチェックできた子の人数で成績が判定される。 ゲーム進行役のアシスタントは3種類から選べる。 普通の女性アシスタントである鹿石雛(しかいしひよこ)のほか、オウムの「タロウ」、鹿石雛がブラック化した「黒ひよこ」という微妙にカオスな顔ぶれ。 黒ひよこは、ゲームを始めようとすると「歯科医を体験したいなんて物好きね」とか言い出す毒舌家。 評価点 DSのタッチスクリーンを使って歯の治療を行うのは割と楽しい。 実際の歯科治療が分かりやすく再現されているし、器具を使って歯が削れていく様はけっこう快感である。 絵柄などからはゆるい難易度が想像されるが、ヌルゲーではない。歯を正確に削るためある程度気を遣うし、速さも求められる。 患者との触れ合いも面白い。全患者に名前・年齢・職業の設定がある。 本を読んでやたらと歯科医の知識だけはある男、歯科衛生士の女の子目当てのエロ爺、たくさんの子供たちなど、患者のパターン自体多く会話も個性的。 ゲームが進むと、気に入らない医院をブログでこき下ろすクレーマー、麻酔無しで歯を抜くことを要求する変な性癖の女性患者などのキワモノも出てくる。 問診では「コーヒーを飲むと刺激を感じるようになりまして…」という患者への返答に「間違えて醤油を飲んだのでは?」とか言い出したり、「眼鏡が似合うね」と褒めて喜んだ女の子に「ま、冗談だけどね」とかのたまったりとはっちゃけた回答をすることも可能。 ただし、あんまりな選択肢を選ぶと帰ってしまうキャラクターもいるので要注意。 治療中は上画面に、患者とその心中の気持ちが表示される。「早く終わってくれないかなあ…」とイラつく様子や猛烈に痛がる様子も見られる。 1人1人全く違うというほどではないが、患者によってリアクションは異なる。 SIMPLEシリーズ他作品からのゲスト患者も豊富。この手のゲスト出演で恒例となっている双葉理保や水咲麗子のほか総勢10人近くが登場、もちろん原作を踏まえた会話もある。 『THE タクシー』の大河原源五郎、『ラブ★』シリーズのリサ・ブランシェットなどSIMPLEシリーズのコアなファンならああ、あいつかというキャラも。 一部のキャラクターは、患者として登場することでゲーム内の壁紙が追加される。 パッケージで痛がっている女の子は『THE 大量地獄』の主人公・水咲エリカ…だが、向こうの記事にもある通り画風が違いすぎて言われてようやく分かるレベル。 医院に雇用するキャラクターにもそれぞれ名前や個性が持たされており、このゲームには単なるモブキャラが出てこない。 クリア後には、来院した患者や医院の関係者など登場人物全てが記録されるアルバムを見ることが可能となる。 歯医者さんの知識もよく身に付くように設計されている。 セミナーで出題されるクイズ問題は全200問とミニゲームの割にはそれなりの問題量。タイトル画面から行ける「なぜなに歯医者さん」モードで自由に再挑戦できる。 内容も難易度に偏りが殆どなく、一般的な知識で十分わかる問題から専門家クラスの問題まで均等に揃っていてモチベーションが削がれない。 BGMでの評価点も複数ある。 治療中に流せるBGMは、全9曲から選ぶことができ選択肢が豊富。 この手の単発SIMPLE作品には珍しく歌詞の付いたボーカル曲が2曲も入っており、出来も良い。 タイトル画面では、いきなり本作のテーマソング『こちらたけのこ歯科クリニック』が流れる。いかにも子供番組で流れてそうな曲調は絶品。 もうひとつは、作中の戦隊ヒーローのテーマソング『ハミガキ戦隊デンタルV』。ミニイベントで流れる。 問題点 アシスタントはゲーム開始時に選ぶと変更できない。 それぞれのアシスタントの個性が強いので少々勿体無い。 ゲーム開始当初はチュートリアルとして順番に各種治療を行うことになるのだが、正直なところ説明が不十分で満足なチュートリアルになっていない。 実際に画面で説明してくれる訳ではなく、アシスタントが口頭で大体のやり方を教えてくれた後にさあやってみろという形式である。 一応は口頭で確認問題を出してくれはするのだが、コマンド選択などをざっくり教えてくれるだけでそれ以上は手探り。 ゲームの仕様上、最初から完璧にできてしまうとゲームがつまらなくなってしまうのも確かではあるが…。 幸いタイトルからトレーニングモードに行けるし、説明書にも治療のやり方がゲーム画面付きで詳しく書いてある。心配ならこちらを確認しておくことをお勧めする。 治療のひとつ「レジン治療」だが、レジンをはめ込む際の判定が非常に厳しくなかなかはまってくれない。 レジン治療は序盤から出現頻度の高い治療なので、この点は結構ネックになる。 治療のパターンは最初から最後まで増えないため、安定して成功できるようになってくるとある程度の飽きはくる。 前述したように治療パートはなかなか楽しいが、やはり慣れれば作業的な側面は拭いきれない。 中盤からは治療パートをスタッフに任せて終わらせてしまってもいいが、やはりこのゲームの本分は治療なので… 歯科医の治療はこれで全部ではないので、他にも色々追加してほしいという要望もある。 経営要素は簡素で、経営への投資以外で自己資金が減ることは一切ないのでゲームオーバーはなく(*1)、戦略性は皆無。 目標の資金3000万はゲーム開始数十日で達成できる。ゲームクリア後になると一日に1000万近く稼ぐこともでき、金銭面でのリアリティは高くない。 ただし、このゲームが持つゆるい雰囲気には合っているという擁護はできるところではある。 1日が終わると必ず流れる夜空のムービーがスキップできない。5秒ほどで終わるが、毎日出るので人によってはうっとうしい。 プレイ時間はやや短め。エンディングまでで推定6~7時間、コンプリート含めてもプラス2~3時間程度だろう。 総評 経営と治療行為という両面から歯科医という職業を体験できるゲームで、肝心の治療パートもDSの操作を活用していて作りはおおむね悪くない。 センスも良くてバカゲー的な楽しみ方もでき、歯科医の知識もちゃんと付けられるので実用・遊び共に満足のいく内容である。細部にも拘りがあり手抜きは少ない。 一方、少ないながらも明確な難点としては、底が浅めでゲームを続けても内容の広がりがあまりないという点が挙がる。 全体的には及第点を楽に超える出来栄えで、まったり系の流れに抵抗がなければ十分楽しめる作品となるだろう。